法定的符合説
具体的事実の錯誤の法定的符合説:罪質がメルクマール。
具体的事実の錯誤→故意あり。 Aを殺す故意があって、誤ってBを殺した場合、Bを殺す故意があったとみなす。
抽象的事実の錯誤→故意なし。Aを殺す故意があって、誤って自動車を破損した場合、自動車についての気分損壊に故意がなかったとみなす。
刑法総論
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具体的事実の錯誤の法定的符合説:罪質がメルクマール。
具体的事実の錯誤→故意あり。 Aを殺す故意があって、誤ってBを殺した場合、Bを殺す故意があったとみなす。
抽象的事実の錯誤→故意なし。Aを殺す故意があって、誤って自動車を破損した場合、自動車についての気分損壊に故意がなかったとみなす。
刑法総論
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錯誤:思ったことと、やってしまったことが食い違っていること。
ゴミだと思って捨てたら、誰かの大切な宝物を捨てていたこと。
事実の錯誤:思った犯罪事実と、やってしまった犯罪事実が食い違った場合。
殺人だと思ったのに、過失致死だった場合など。
具体的事実の錯誤」と「抽象的事実の錯誤」。
具体的事実の錯誤:Aを殺すつもりだったのに、Bを殺していた場合。
構成要件が同じなかで、事実の錯誤が起きている。
殺人と殺人。客体が違う。
抽象的事実の錯誤:Aを殺すつもりたったのに、自動車を壊してしまった場合。
構成要件が複数にまたがっている場合。
殺人と器物損壊
![]() | 刑法総論
|
違法性の錯誤:法律を勘違いしていて、違法なのに違法でないと思っている場合。
事実の錯誤がないことが特徴です
羅列っぽくなってしまいますが、
・同居義務
・協力義務
・扶養義務
・貞操義務
があります。
これを見ていると、夫婦の理想的な姿が見えてきますね。一緒に住んでいて、協力して夫婦関係を築き、お互いを扶助して同程度の生活をしつつ、性的関係は他の人とは結ばない。
逆にいうと、別居していて、互いに知らんぷりで、生活格差があり、他の人との関係で愛欲を満たしている。こういう二人はもはや夫婦とは呼べないでしょう。。。
・同居義務とは一緒に住む義務ということですね。配偶者が義務を履行しない場合は裁判所に請求することができますが、しかし、それが認容されたところで強制的に執行されるわけではありません。理念的なものです。。。ただ、離婚事由の悪意の遺棄になりうるという効果があります。
・協力義務。妻がご飯を作って、旦那が仕事をする(逆のパターンなどもあるでしょうけども)という夫婦で協力する義務がこれです。協力義務を履行してくれない場合は、婚姻を継続しがたい重大な事由に当るとして、離婚に発展する場合があります。
・扶助義務。生活保持義務のことですね。配偶者にも自分と同程度の生活を与えなければならないという義務である。
・貞操義務。明文なし。不貞行為が不法行為になるかが争われてきた。配偶者からの愛人に対する慰謝料請求は認められている。もっとも、子からの慰謝料請求は判例は認めていない。
![]() | 夫の不倫で苦しむ妻たち 著者:亀山 早苗 |
うぶな女性が「離婚して一緒になろう」と言われて、上司と不倫していたら、妊娠した。そうすると、上司は分娩費用の一部を支払って、別れることになった。女性としては腹が立ったので、この上司に対して、慰謝料請求した。認められるか?
認めてあげたい気分である。女性は離婚して一緒になるという約束があったから関係を続けたのであって、上司の男の身勝手さは勝手きわまりない。
最高裁としては、結論として、女性の慰謝料請求を認容した。もっともな結論である。708条の不法原因給付に対する返還請求を禁止している趣旨からして、自ら不法行為(不倫は貞操義務に対する奥さんの権利を侵害する不法行為である)に加担していたわけだから、その女性が上司に対して慰謝料を請求することはできないという男の主張に対して、どう反論するかが問題となった事例である。
男の主張は、実は、この判例以前の判例の考え方であった。それまでの判例は、708条の精神からこのような請求を認めていなかったのである。
ところが、最高裁はこの考え方を改めて、女性を救済する結論を下した。
不法の程度を基準として見た場合に、女性<<<男性の関係になっている場合には、慰謝料請求を認容しても708条の請求を没却することにはならないと構成したのである。
これに対して、批判説としては、一般論として、奥さんからその女性に対して慰謝料請求されると、実質的に相殺されてしまうから、結局、何もならない、訴訟経済、本人たちの弁護士費用などを考えると、何にもならない、むしろマイナスになるという観点から、愛人からの慰謝料請求を認めるべきでないという考えが提出されている。
ただし、このケースのように、うぶな女性<<<男性のような場合には、特別の事情がある場合として、慰謝料を認めるのが筋であろうという見解が提出されている。
![]() | 不倫のルール?一生懸命な恋は女を美しくする 著者:家田 荘子 |
要件は、実質要件と形式要件に別れます。
実質要件としては、
双方の意思が合致していること
適齢に達していること
重婚できないこと
再婚禁止期間を経過していること
近親婚でないこと
などがあります。
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親族法のあと、相続法を説明します。
親族法ですが、
婚姻
入籍するとどうなるのか、どうすると婚姻できるのか、婚姻が無効になったり取り消されたりする場面、婚約
離婚
歴史とか問題点、どうやって離婚するのか、離婚するとどうなるのか
内縁
何が問題なのか、どうなるのか、重婚的な内縁についての問題
親子
嫡出子とは何か、非嫡出子とは何か、親権、親権以外にどんな効果があるか
養子
歴史と機能、どうやったら養子になるのか、無効・取消しの場合、どんな効果があるのか、離縁、特別養子制度とは何か。
親族(以下、マイナーっぽいテーマ)
存在意義、範囲
後見
後見、補佐、補助、未成年者
扶養
戸籍
裁判制度
と説明しました。
親族法では、
総論
どんなものか、全体構造
原則
どんなときに開始するか、相続人とは誰か、相続財産とは何をいうか、相続分とは何かどんな種類があるか
共同相続
共同相続財産とは何か、遺産分割とは何か、相続回復請求権とは何か
清算
限定承認とは何か、財産分離とは何か、相続人がそこにいない場合にどうするか
修正
遺言のもろもろ、遺贈の種類と機能、遺留分減殺請求とはどんな制度か
を説明。
もう一つの法定担保物権であります先取特権について。
種類としては、一般、動産、不動産と区分できます。
効力としては、優先弁済効力、物上代位、動産に対する追及効の制限。
一般先取としては、共益、雇用、葬式、日用品。
動産先取としては、不動産賃貸借、旅館宿泊、旅客荷物運輸、動産保存、動産売買、種苗肥料供給、農業労務、工業労務。たくさんありますが、条文。
不動産としては、保存、工事、売買ですね。
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1.要件
物に関して生じた債権−時計の修理代金請求権など
他人の物の占有−修理を注文してきた人の時計を占有していること
債権が弁済期-代金の支払い期が到来していること
占有が不法行為によって生じたものでないこと−時計を盗んできて占有しているというような場合。今回の例では想像しにくいケースですね。
2.効力
主に、留置的効力。−時計屋に時計を留め置くことができます
権利としては、果実収取権、費用償還請求権、競売権−時計だと果実は何か問題になりますが、時計屋の飾り棚に入れておいてお客さんにそれを展示してお金をとる場合はそれが果実とされて、そのお金を時計屋が収益できることになります。費用償還請求権というのは、時計が電池時計で液漏れのために故障するといったときにその電池を交換するような場合でしょうか。それが費用とされれば、それを注文者に対して請求することができるという権利ですね。競売権というのは、時計の場合はあんまり問題にならないような。
義務もあります。−時計を勝手に捨てたりしてはなれません。
3.消滅
債権が消滅時効、留置権者が消滅請求する場合、代わりの担保を提供されて消滅する場合、占有が喪失した場合、債務者が破産手続きを開始した場合
代金債権には消滅時効があるわけで、それが経過してしまうと、消滅時効にかかってしまって、留置権がなくなってしまうという趣旨。注文者がその時計の代わりに別の同じような価値の物を代わりに入れることで時計そのものを返してもらうことができます。時計屋が占有を奪取された場合はこれに該当。例えば、泥棒に時計を盗まれた場合には留置権は原則なくなってしまうことに。ただし、占有回収の訴えを提起すれば、その間の占有は、勝訴すれば継続したとみなされますので、留置権もその限りで消滅しなくなりますね。債務者が破産手続きに付された場合には、留置権がなくなってしまうわけです。時計がかわいそうですが、他の債権者との関係もありますので、公平のためにこのような考えがとられている
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親族法と相続法です。
| 民法IV 補訂版 親族・相続 著者:内田 貴 |
親族法としては、
婚姻、離婚、内縁、親子、養子、親族関係、後見補佐補助、扶養、氏と戸籍、裁判制度という順。
![]() | 司法書士直前チェック民法 (3) 著者:竹下 貴浩 |
相続法としては、
法定原則、共同相続、相続財産の清算、遺言などによる原則修正という構成です。
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担保物権としては、以前にも軽く説明ししまたが、
・基本原則
・法定
・約定
・非典型
・債権担保
と話しを進めて行きたいと思います。
![]() | 民法 III [第3版] 債権総論・担保物権 著者:内田 貴 |
まず、原則。
・優先弁済権
・附従性・不可分性・物上代位性
これが大切です。
![]() | 担保物権法 著者:道垣内 弘人 |
法定担保物権
ここでは、留置権と先取特権の2つしか説明しません。
留置権としては、要件、効力を押さえた上で、消滅する場面を把握することが肝要です
先取特権としては、種類と効力。種類が多様ですので、ちょっと意識しましょう。
![]() | 民事法〈2〉担保物権・債権総論 著者:鎌田 薫,須藤 典明,三木 浩一,加藤 新太郎,中田 裕康 |
約定担保物権
これも、質権と抵当権のたったの2つです(つまり、典型担保物権はこの4つしかないということです)
質権としては、概要、動産、不動産という順序で。
抵当権としては、(これが一番重要です)は、設定、効力と説明した上で、法定地上権、賃貸借との関係、第三取得者との関係、処分、共同抵当、根抵当という周辺的問題を解説した後、やっと消滅する場面を説明します。おまけとして特別法に触れます。
![]() | 根抵当実務 著者:石井 眞司,佐久間 弘道 |
次に、非典型担保ですかね
原則、仮登記担保、譲渡担保、所有権留保と説明。譲渡担保が胆です。
そして、債権担保。
権利質、債権の譲渡担保、代理受領など。
![]() | 住宅ローンを返せなくなったときに読む本?競売回避の極意 任意売却のススメ 著者:伊藤 光記 |
所有権の共有と、用益物権に集中。
特に、共有と、地役権。
4と3。
![]() | マンション法の解説?区分所有法 著者:熊田 裕之 |
共有所有についてですが、
共有と建物の区分所有について述べます。
共有のところでは、内部関係と、対外を説明したあとで、共有物を分けることの処理について解説したいと思います。
ここで重要なのは、
・共有持分は平等の推定が働くが、当事者に特段の合意がある場合はそちらが優先されます。
・持分に応じた使用ができる。249条。
・目的物の管理は、252条本文のとおり、価格の過半数で決する。
・ただし、保存行為は単独できるし、
・変更することは全員の一致できる。
問題は引渡し請求だが、
共有物の独り占めについて引渡しを求めることはできないとされている。全体を使用することができるから。
第三者に転貸するような場合も同じ。
ただ、共有者の一人が、勝手な判断で共有地に何かを建築した場合は、他の共有者が妨害排除請求することは可能。工事の差し止めや、可能なら原状回復も求めることができる。判例。
次に、「対外関係」
単独で外部の第三者による侵害に対して、妨害排除請求することが可能。保存行為と考えるため。
ただし、共有物を全員で共有していることを主張して争う裁判では、全員の参加が必要であるとされている。この場合は、固有必要的訴訟として争うことになる。判決は合一に確定される。(一人で主張しても、その人の持分に応じた部分しか判決されない)
残りは「共有物の分割」
ABCが一個の土地を買った場合、協議して分割できる。協議がまとめまない場合は、裁判所二分割を請求することができる。258条1項。
現物を切り分けられない場合とか、切り分けると価値が著しくなくなってしまう場合には、258条2項によって、裁判所に競売を命令してもらえます。
こういう分割請求の自由は、持分権の自由譲渡に親近性をもっています。有名なのは、森林法違憲ですね。
共有は本来、あんまりいい状態ではないので、早く小分けしたほうがいいという理屈で、不分割の合意は5年までしか有効でありません。しかし、更新が可能であるので、ずるずるとけいぞく することは可能です。
現物分割、代価分割(売ったお金をみんなで分ける)、価格賠償(代償分割)という方法があります。
特段の事情があれば、全面的価格賠償も可能というのが最判の考え。特定の人に取得させるのが相当であり、持分価格の賠償でも実質的な公平を害されず、価格が適切に評価されて、資力がある場合だということです。
例えば、長く済み続けている家などは、この特段の事情が認められて、全面的価格賠償という方法が採用されることが考えられます。
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最後に、「建物の区分所有」
今日は3つの話をします。(厳密にいうと、保証債務も話さなければならないので、本来は4つなのですが、説明の便宜証、3つとさせていただきます。)
その3つとは、分割債権、不可分債権、連帯債務です。
分割債権は、分けられる給付(可分給付)できる債権のことです。同様に、分割債務という概念もあります。それぞれが独立した債権・債務として観念されます。特段の意思表示がないと、多数当事者の債権債務は、この分割債権であると推定されます。427条の規定をご覧ください。
ここでは、原則は何か、分割債権・債務とは具体的にどんなものか、といった「意味」を見た後、「効力」について議論します。効力では、当事者間ではなく第三者との関係、いわゆる対外的な効力について説明します。ついで、一人に生じた効力が他の債権・債務者にどう影響するかを説明し、求償関係についても説明していきます。
(2) 不可分債権・債務
ここでも、意味、効力という順に説明します。
不可分債権は、例えば、貸主がたくさんいる場合の建物明渡請求権などです。第三者に対する効力や、一人について生じた事由が他の債権者にどう影響するかを説明します。混同などの効果がどう影響するかなど。求償関係についても後で説明します。
不可分債務は、ふくすうの人が賃借しているものの目的物の返還義務などです。対外的効力、一人について生じた事由の他のモノへの影響、求償権について解説します。
(3)連帯債務
これは重要です。というか、内容がたくさんあります。シンプルにいきましょう。
意義、
効力、
特別な連帯債務である「不真正連帯債務」の独特の性質
という順で解説します。
連帯債務とは、独立した債務だけれども、誰か一人が弁済すると、他のモノの債務も消えるという性質をもった債務のことです。
不真正連帯債務は、誰かが弁済すれば他債務者は債務が消滅する性質だけを、連帯債務と共通にしている。 絶対的事由や求償権の問題がないのが、特徴です。共同不法行為の債務についての考えかたです。債権の強化、負担部分が共同不法行為の場合にはないと考えること、などからこのような考えかたが必要とされています。
それから、連帯債権という概念もあるのす。簡単に触れるだけですが、連帯債務の反対概念です。
![]() | 連帯保証のカネは返すな!?企業再生屋と個人事業再生屋が書いた 著者:八木 宏之,吉田 猫次郎 |
AがBに売ったとき、AがBのために手元でその目的物を占有することですね。
占有改定については三つ。言いたいことがある。
1.即時取得の開始占有の占有に、占有改定は「含まれない」
2.取得時効の占有には「含まれる」
3.動産の対抗要件の引渡しには「含まれる}
1対2.3.です。
即時取得 vs 取得時効&動産対抗要件
覚えておくと便利ですよ。
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どうしてこうなってしまうのか。
即時取得は、動的安全のために存在する。表見・外見的な側面がスーパー重要です。だから、占有改定ではいけない。ちゃんと自分の手元にもってこさせたり、第三者のところにやって支配する必要がある。それで、占有改定のように、口だけでそっちに占有を移転させるというようなことは認めません、ということになっているんです。真の権利者を犠牲にして、善意無過失だけれどもまぁいわくつきの目的物を取得したような人を保護している。だから、その人には高度な基準で俺のもんだという感覚がある必要がある。そこで、占有改定じゃだめだというわけです。
取得時効や対抗要件は、別にそこまで求めない。占有改定も、占有移転の方法の一つとして認められるわけで、原則としては認められるわけですから。そこまで求めない。いいじゃん。現実にそういう慣行もあるわけだし。そんなふうに考えるんですね。理不尽に犠牲になる真の権利者がいないから、まぁ甘く考えるわけですよ。取得時効だってほったらかしにしていたのは、真の権利者であるし、対抗要件で対抗される人っていうのは対抗要件を備えていない人とか背信的悪意者でしょう。そんな人は犠牲になっても公平だというなわけです。
・占有改定も動産の対抗要件の178条の引渡しに含む。
AがBにボールを売って、Aのところに置いたまま、Bのために占有している場合、AがCに売ったとしても、BはCに自分の所有であると主張できるわけです。
現実の引渡し、簡易の引渡し、占有改定、指図による占有移転。全てが「引渡し」となります。
対抗要件になるのです。
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・自動車は登録できます。
登録された自動車は、引渡しでなくて、登録が対抗要件になる。
ですから、pがQに売った場合、Qは登録自動車を引き渡されても、Rに対抗できない。対抗するためには、登録を書き換える必要があるわけです。
ただ、登録していない生の自動車は、ふつうの動産として扱われるわけで、Rに対抗するためには、引渡しでよい。上にいう占有改定でさえ対抗要件とになるのです。
立木等の特殊な対抗要件の方法です。
立木とは、土地に生えた状態の木のまとまりのこと。
木に名前を彫刻するとか、立て札を建てるとか。
Aが立木をBに売った。明認方法で対抗要件を備えた。
Aが立木つきで土地をCに譲渡した。
すると、立木について二重譲渡のようになる。
BCどっちが優先するかというと、Bです。
対抗要件を先に備えたからです。
明認方法より先に登記されれば、立木もCのものになっていました。
よかったね、Bさん。
明認方法は対抗問題が起きた時に、ずっとなければなりません。
対抗問題が始まった時、Cが譲渡された時に、Bが明認方法を継続してほどこしていなければなりません。
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整理すると、
192-193-194
となっていて、その特則がさらに
-質屋営業法22条
とか
-古物営業法20
となっています。
簡単にいうと、
古物商(なかじませいのすけ?)とか質屋さんが盗品等を取得したときは
善意でも、
1年間は被害者からの請求によって
無償で返却する義務がある。
こういう内容になっています。
営業者が悪意でも「しらない」としらを切られると、
被害者は悪意の立証が困難なので、善意であっても、
無償返還となっているわけです。
専門業者だから慎重に確認して売れよという趣旨です。
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ここで、事例。
Aさんがレコードを持っていたら、Bに盗まれた。平成18年元旦。
Bは、事情を知らない古物商Cにこれを売った。
すると、Aとしては、レコードを取り返したい。
でもって、Cがレコード(日本に一枚しかないので、自分のものだと特定できた)を所持していることがわかった。
Aとしては、Cに対して、古物営業法20条によって、
盗まれた時から1年以内であれば、無償で返却を請求することができます。
192でいくと、Cは善意無過失であれば無権占有者Bから売買で所有権を即時取得することになるが、
193の特則によって、盗品だから盗みから2年間は即時取得されないことにるが、
194の特則によって、Cから買ったDがいたとしても、お金を出して、取り返せるが、
すべてに対する特則である古物営業法によって、
盗みから1年間は、無償返還請求できる。
ちなみに、194条のお金は、占有者が支払った対価です。
Aさんから動産を盗んだBが、善意無過失のCに売ったとき、Cは所有権を即時取得する??
しません。これは盗品。そこで、193条が働く。
盗まれた時から2年(除粗期間)間は、即時取得は成立しません。
平成18年元旦に盗まれたものは、20年元旦まで即時取得されない。
その間に、Cを見つけて、返還請求すればOK。
Aは万年筆を取り戻すことが可能です。
ちなみに、除粗期間だから時効停止時効中断などはないので、
ご注意ください。20年元旦が来たらおしまいです。
ちなみに、請求できる人は、被害者です。
万年筆の持ち主がZであって、Aが借用していた場合も、被害者なので、請求できます。
Cからの転得者Dや、その転得者Eに対しても、占有者とみて、この規定で回収にかかることができます。
便利ですね。
動的安全を保護するための192条の例外である193条は、
公平の観点から、権利者の権利に配慮しているわけです。静的安全への配慮。
さらに!
194条という特則もあります。
これは、Cが商人で、Dがそこから買ってしまったような場合ですね。
Dがお金を払ったのに万年筆だけ取り返されると、困ってしまう。
そこで、Aがちゃんとお金を払わないと、Dに返還請求できないとした。
厳密にいうと、競売、公の市場(店舗の意味)、その者と同種の物を販売している商人(露天商など)です。
店で売っているものなら、ふつう、いわくつきとは思いませんから、買った人を保護したほうがよいだろう
という発想です。
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露天商といえば、たこ焼きですね。
動産譲渡登記の譲渡人は絶対に法人。
譲受人は自然人かもしれない。
動産譲渡登記はあくまで対抗要件であって、即時取得の開始された占有としては扱われない。
たとえば、ある会社Aが倉庫の中の菓子を、B男さんに譲渡して、動産譲渡登記しました。BさんはCさんに対抗できます。俺のもんだぞ、と。
じつは、その倉庫がZのものであり、菓子はAのものではなくて、Aは無権利者だったけれども、占有していたとします。そこで、Bが善意無過失で、Aからこれを譲渡するという契約が締結されたとき、Bさんとしては「占有」しなければなりませんが、占有改定だったり、あるいは、動産譲渡登記をしただけでは、占有の要件を満たさずに、即時取得することはできません。Zとしは、Bさんに菓子はお前のものではない、と言えるわけですね。
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・即時取得要件の無過失は、「推定される」
取得時効の無過失は推定されないが、即時取得では無過失の推定ありという判例がある。
根拠は188条です。
動的な安全のために。
・即時取得するための要件の一つである開始された占有は、占有改定では「だめ」。
判例。現実の引渡しをしたときに初めて、占有が開始される。善意無過失の基準時もその時である。現実の引渡しをする頃には悪意になっているので、即時取得が成立しないことになってしまうのではないかという批判がある。
学説。折衷説。現実の引渡しを受けたときに即時取得が確定し、占有改定の時に善意無過失か否かを判断する。
![]() | 民法 I [第3版] 総則・物権総論 著者:内田 貴 |
192条。
動産の取引の動的安全性を図るための制度。
動産について、処分権がないのに、占有している人から、取引行為を経由して、平穏・公然・善意・無過失に占有を始めた人は、その動産について行使する権利を即時に取得する。
動産について行使する権利は、取引行為の類型によって決定する。売買なら所有権だし、質入れなら質権となる。
![]() | 物権法 著者:伊藤 真 |
192条。
動産の取引の動的安全性を図るための制度。
動産について、処分権がないのに、占有している人から、取引行為を経由して、平穏・公然・善意・無過失に占有を始めた人は、その動産について行使する権利を即時に取得する。
動産について行使する権利は、取引行為の類型によって決定する。売買なら所有権だし、質入れなら質権となる。
![]() | 物権法 著者:伊藤 真 |
私の好きなベスト3
1.物権変動の対抗要件
第三者に対抗するために必要な登記をする周辺をきちんと理解できているか云々
2.賃貸借の効力
目的物が滅失した場合とか、転貸の場合とか。
3.債務不履行
債権総論のパート。履行遅滞とかのケースですね。
![]() | 現代法学入門 販売元:有斐閣 |
弁済、代物弁済、供託、相殺、更改、免除、混同。
たったのこれだけです。
しかも、中核的な問題は、弁済。ここが大事です。
弁済は、弁済本来の制度と、代位弁済(誰かが代わりに弁済してやるパターン)があります。
本来の制度というのは、
・方法 ・弁済する人される人、・充当・提供
といった問題で構成されています。
代位弁済は、法定代位と任意代位があって、求償権と代位権が問題となります。
一応、他の類型についても軽く触れておくことにしましょう。
代物弁済ですが、要件と効果。
供託は、要件効果と、方法、供託物をどうしたら取り戻せるかといった問題。
相殺。これが弁済につぐ二番目に重要なパートですが、要件効果をきっちり理解して、相殺が禁止される場面も頭に入れる必要があります。
更改。要件効果。あとは解除ができるのでそのやり方など。
免除、要件効果。
混同、効果。
このような感じですので、ここでの胆は、弁済と相殺です。
| 債権譲渡・債務の引受け債権の消滅のすべてが本当にわかる本 著者:熊倉 照男 |
これは簡単。シンプル。
債権譲渡
と
債務引受
だけです。
債権譲渡というのは、中核は指名債権の譲渡ですね。
基本的には譲渡できるけど、譲渡できない例外もある。
それから対抗の問題。通知しないとダメだというやつです。
対抗も二つあって、債務者に対抗するためのものと、第三者に対抗するためのものです。
特則として、登記による対抗などがあります。
債務引受は、免責的債務引受の要件と効果を説明します。
それと、併存的債務引受。これは元の人にも債務を残したまま、自分も債務を負うというタイプですね。
契約引受というのもあって、これは、契約関係上の地位を誰かに譲るという場合です。買い受け人の地位を誰かに譲渡する等の場合。要件と効果を説明します。
![]() | 債権各論 著者:伊藤 真 |
個性の強い債権・債務が4つばかり出てきます。
簡単ですよ。
つまり、分割債権、不可分債権、連帯債務、保障債務です。
分割債権っていうのは、分けられる債権のことですね。
不可分債権は、別れない債権。
その債権の性質によって、ちょっと話しが違ってくるところがあるので、
別々の類型として扱う必要があるわけです。
次、連帯債務。
連帯して負う債務です。AさんとBさんの連帯債務。そうすると、債権者Cとしては、Aさんにかかっていっても、Bさんにかかっていってもいい。そういう種類の債務です。連帯保証にも準用されたりする条文がありますね。
保証債務。
保証契約というので、保証債務といって、多数当事者の債権債務に含まれていると、奇異な感じもしますが、あれは債務なのです。どういう性質があるかを説明します。
![]() | 民法のまるごと講義生中継〈2〉債権編 販売元:TAC出版 |
債権というのは当事者の間にしか効力がないのが原則でしたね。
でも、その債権を意図的に妨害してきた場合には、妨害を排除できるほうが正義公平にそぐう。
そこで、特定の場合に債権侵害に対する保護が認める。
それが、ここでも問題でする
アプローチとしては、2つ。
一つは、不法行為にもとづく損害賠償請求権です。
債権を侵害する行為を不法行為であるとして、損害賠償させて填補させようというアプローチですね。
もう一つは、債権にもとづく妨害排除請求権です。
物権にもとづく妨害排除はみなさんもう勉強されたと思いますが、
債権にもとづいてもできることがあるんだというのがここでの面白いところです。
以上の点は、ちょっぴりマイナーな問題なのですが、
一応教えます。
![]() | 民法 III [第3版] 債権総論・担保物権 著者:内田 貴 |
債権の効力は、さらに分岐していて、
・債務不履行の類型
・債務不履行の効果
・責任財産の保全
この三つに分けて考えることが楽です。
じゃぁ類型としてはどんなものがあるか、すると、
債務不履行と、信義則上の義務違反、それから債権者遅滞(受領遅滞)がある。
効果はどうか。
強制履行と損害賠償。これしかない。
債務不履行の類型に該当する場合の効果は、直接国家の手を借りてやらせることと金銭的で損害賠償させる二つしかないということです。
最後は、責任財産の保全ですが、これは債権者代位権と、債権者取消し権の二つしかない。
債務者が無資力になったときに債務者が持っている債権を代位行使することと、詐害行為をしたときにその取引行為を取り消せるという二つの権利が付与されているというわけですね。
| 債権の効力・多数当事者の債権関係のすべてが本当にわかる本 著者:熊倉 照男 |
以前にも話した債権関係について少し踏み込んだ説明をします。
まず、全体ですが、目的、効力、債権侵害、多数当事者、消滅という項目があるのでしたね。
目的に踏み込むと、
特定物債権と種類物債権の話があります。それは、物の個性について注目したものを目的物とした債権かどうかの区別です。ある場所にある家は特定物ですが、たまご一個は種類物ですね。
次、金銭債権と利息債権。金銭債権の場合には、損害賠償のときに特則がありますので、ちょっと大切ですね。
選択債権と任意債権。これは、どちらかを選んで履行するタイプの債権とかそういうことですね。詳しくは後述します。
以上、債権の目的でした。要するに、ちょっと毛色の変わった債権について特に説明するという趣旨です。三つの項目しかありませんので、これを理解するのは簡単ですね。
次に進みましょう。
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基本的には、
目的、消滅。の2つで足ります。
何も問題がなければ、債権の対象がわかって、弁済などをして消滅すれば、一軒落着です。
でも、誰かがトラブルを起こすと、
効力 が必要になる。
お金を払わないとかですね。
あとは、
債権侵害に対する保護
もそうですね。
誰かが債権を邪魔してきたら、当事者間の債権関係だけじゃなくて、それをその邪魔してきた人にも及ぼそうという話になってくる。
そこで、債権侵害に対する保護を考える必要が出てくる。
それから、これだけでは、自由に債権関係を組めないから、色々なオプション、おまけが出てくる。
多数当事者の債権関係、であり、
債権譲渡と債務引受、であるわけです。
3人以上で組んだりとか、あとは、債権を誰かに譲渡したいといった要請が現実にあるから
それに対応した制度が準備されているわけです。
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債権債務関係のコンテンツ
つまり、債権総論のコンテンツです。
簡単です。
目的、効力、債権侵害に対する保護、多数当事者の債権関係、債権譲渡と債務引受、消滅。
このたった6つしかありません。
目的は、債権の対象は何かについての説明ですね。
特定物なのか種類物なのかとかの説明がここで出来ます。
効力は、債務が不履行になったときの効果とか、債権者代位権などの責任財産の保全といった効果についてなど。実際重要なパートですが、基本を理解していればOKでしょう。
債権侵害に対する保護。ちょっとマイナー。不法行為の損害賠償とか、債権にもとづく妨害排除が認めるかなど。
多数当事者の債権関係。分割債権、連帯債務、保証といったこと。登場人物が1vs1じゃなくて、2vs1などのパターンをまとめて説明します。分割債権というのは、分けて実現できる債権と考えましょう。自動車の売買の代金債権は? 分割債権? 不可分債権? こういう問題を扱います。
債権譲渡と債務引受のところでは、債権を誰かに渡す場面と、債務を誰かが引き受ける場面で、どんなことが必要なのかを考えます。無視力者からお金をとれないときには債権譲渡を使いますし、誰かに債務引受させるということも可能でしょう。
消滅。これは、弁済以下などです。債権が消える場面を説明します。はじまりのあるものは、すべておわりがある。債権の死ぬ時を理解しましょう。
| 債権譲渡・債務の引受け債権の消滅のすべてが本当にわかる本 著者:熊倉 照男 |
AさんがBさんに甲を売る契約を締結した。のちに、AさんはCさんにも甲を売る契約をしました。この状態を、二重譲渡といいます。
さらに、Dさん、Eさんにも同様の行為をすれば、三重譲渡、四重譲渡となっていきます。
多重譲渡の場合、結局誰に所有権が渡るのかは、対抗要件を先に備えた者が誰かという基準で決定します。
例えば、Cさんが一番最初に対抗要件を具備したなら、所有権はAさんからCさんに移転します。すると、次順以降の対抗要件具備をした者は無権利者Aさんから譲り受けた形になるため、無権利者になってしまいます。形式的に対抗要件を備えていても、無価値となってしまうのです。
ところで、対抗要件とは何でしょうか。動産なら引渡し、不動産なら登記ですね。
動産とは不動産でない物のこと、不動産とは土地とその定着物のことでしたね。定着物とは、立木などの「土地と不可分一体の状態にある物」をいいます。(立木も動産化することができます。登記をしたり、明認方法をとればよいのですね。)
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デロリアン型のタイムマシンであるが、タイムマシンの心臓部はフラックスキャパシタ(異次元転移装置)である。(1955年に風呂場のかどに頭をぶつけた時にヒラメいた機構がベースとなって、タイムトラベルが可能になった。)そこで、この装置が「発明」に当るかをまず検討しよう。
いきなり脇道に逸れるが、これは「物の発明」かそれとも「方法の発明」か。これは「物の発明」だろう。
さて、それでは元に戻って、「発明」の要件を満たしているかを検討する。
![]() | バック・トゥ・ザ・フューチャー アーティスト:サントラ,ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース,リンジー・バッキンガム,エリック・クラプトン |
科学者であるエメットブラウン博士は、自然界から経験則的に発見した科学的な法則を使ってフラックスキャパシタを構成している。したがって、「自然法則の利用」の要件は満たしている。(映画ではその詳しい仕組みが語られていないが、それは説明されても観客がわからないためだろう。観客からしてみれば、ブラックボックスであるが、ドクの頭のなかではきちんと整理されていたはず。)
では「技術的思想」の要件はどうか。これもOK。物そのものではなく、フラックスキャパシタの機構自体が検討対象だからである。
「創作性」これもOK。ドクが生み出すまで、タイムマシンは実在していなかったからである。(HGウェルズのタイムマシンなどがあるが、あれなどは全くの空想の話なので、問題ないだろう。)
「高度性」前に話したように、特許の審査過程ではほとんど考慮されていない。形式的に一応検討すると、もうこれは十分高度な発明であると言えるだろう。
以上に検討したとおり、ドクター・エメット・ブラウンによるフラックスキャパシタの機構は、特許法にいう「発明」に該当すると結論できる。
![]() | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 アーティスト:サントラ |
では、「特許」を受けるための要件は満たしているか。
まず、「産業上の利用可能性」の要件を満たしているか。医術などは倫理的に日本では産業上の利用可能性が否定されているが、タイムマシンについてはどうだろうか。もしかすると、誰もが使えるように、産業上の利用可能性の要件で切られてしまう蓋然性がある。しかし、形式的に考えてみると、観光業とか金融業その他の分野において十分利用可能性であるから、単純に、「産業上の利用可能性」ありと考えてよいのではないだろうか。ここでは、この要件も満たされているものと考えたい。
そして、「新規性」。マーティーを深夜にこっそりと呼び寄せて、孤独に発明した成果を収録させていたところを見ると、非公知の要件を満たしていると考えてよいだろう。それから、非公用も問題なさそうだ。刊行物に記載したこともないだろうし、電気通信回線に通じて公衆に利用可能の状態にさせたこともないだろう。(今なら、マーティーかあるいは、博士本人がブログに、例のビデオ収録をアップして、公開してしまった可能性がある。しかし、1985年当時はそういう環境になかったと思うので、ここではそういう心配は無用だうろ。)
(ところで、新規性と、発明の要件である創作性の差異に注意。博士よりも前にタイムマシンが存在していないことから創作性は当然肯定されるが、新規性はどうかわからない。ブラウン博士が自分で公知の状態にしていたかもしれないからである。)
最後に、「進歩性」。これは間違いなく、肯定できる。通常の水準のエンジニアにはタイムマシンの機構など思いつけない。
以上に検討したとおり、エメット・ブラウン博士は、フラックスキャパシタの発明によって特許を受けることが出来るものと考えられる。
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「特許」を受けるためには、まず「発明」でなければならない。そのためには、2条1項の四要件を満たす必要がある。すなわち、自然法則の利用、技術的思想、創作性、高度性である。発明であることを前提として、「特許」を受けるための要件は、三つ。それは29条に規定されていて、産業上の利用可能性、新規性、進歩性である。
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さてさて、上のパラグラフの意味を細かく見ていきましょうね。
「特許権」があって、その「性質」について詳しく見ていくということをしましょう。
まず、どんな発明でも「特許」を取れるわけではないことを理解しましょう。とるための要件があるんですね。
ちょっと考えてみましょう。そもそも特許の正体とは何でしょうか? それは「発明」ですね。ある発明をした人の権利を保護するために、国が特許する。特許権取得制度、救済制度などはその実現のために準備された制度なんです。
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つまり、ある発明っぽいことをしたら、まず「発明」に当るのか、そして、そうだとしたら「特許」される保護対象か?という二段階で思考することになります。
さて、ここで問題。「発明」とは何か? エジソンが電球を発明したり、ソニーがアイボを発明したりするわけで、ああいうのが発明ですね。(アイボは発明なのかな??)
もう少し厳格に、特許法は何を発明の要件としているのか見ましょう。すると、次の4つの要件が挙げられています。
・自然法則の利用
・技術的思想
・創作性
・高度性
です。
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個々の意味。
「自然法則の利用」 これは、自然界において経験的に発見された科学的な法則を利用していることですね。例えば、人工的なルールはダメなんです。人生ゲームM&Aは独創的かもしれませんが、特許されない。なぜなら、自然法則の利用をしていないから。ゲームそのものは「発明」にならないのです。それから、レオナルドダヴィンチが挑戦した永久機関もだめ。科学的に存在できないので、科学的な法則を利用していないから特許法上の「発明」に当らないというわけです。
次、「技術的思想」ちょっと難解。要するに、考え方が保護対象だ、ということなんですね。具現化された物そのものが保護されるわけではない。そういうことです。エジソンの電球でいえば、技術的思想とは電球の仕組みのことですね。電球そのものは発明ではないのです。
次、「創作性」 これは、その人が発明するまで、存在しなかったという意味です。初めて生み出した場合に、創作性がある、ということになります。エジソンが電球を作る前は、電球を作った人はいなかった(と言われている)。だから、彼の電球の仕組みには、創作性が認められるわけです。
最後、「高度性」 大した意味はないんです。文字どおり「高度」でなきゃならない。それだけです。ただ、実際の審査では、ほとんど考慮されていないようです。電球でもコピー機でも、高度性ありということで、通過していってしまうようです。
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もう一度まとめると、特許の前提となる「発明」の要件は四つ。
・自然法則の利用
・技術的思想
・創作性
・高度性
です。よろしいですね。
これは、特許法2条1項に書いてあります。
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それから、発明は「物の発明」と「方法の発明」という二つに分けてみることもできることを押さえておきましょう。簡単な話です。機械の部品の発明は、物の発明。方法の発明というのは、さらに「単純方法」と「物を生産する方法」に分かれます。
特殊な暗号化の方法などは、「単純方法」としての「方法の発明」になるし、薬品を特殊な工程で作るときのその工程が「物を生産する方法」としての「方法の発明」になります。
これは、特許法2条3項ですね。
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「特許」の要件です。
特許の要件は、たったの3つ。
・産業上の利用可能性
・新規性
・進歩性
これだけです。
29条に書いてあるとおりです。
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個々の意味を見ます。
・産業上の利用可能性 物を生み出してお金儲けするのに使えるというような意味ですが、必ずしもすぐにお金に直結させる必要はない。例えば、エジソンが発明した当時、電球は対してお金になるとは考えられていなかった。けれども、産業上の利用可能性あり、と考えられたわけです。産業上で使えそうなら、利用可能性ありというふうに考えられそうですね。
・新規性 重要です。1項1号ないし3号に当らないと、新規性ありとされます。つまり、出願前の国内外で公知になっていないこと、同じく公然と実施(公用)されていないこと、それから頒布物掲載のないこと・インターネット等で公開されていないことですね。いい発明をしても、海外の誰かがブログで発表していたら、特許はとれなくなってしまうわけです。それから、発表されていなくても、国外のどこかの国のある村で皆が公然とその発明を使っていた場合には、やっぱり特許はとれなくなる。悲しいですね。哀しいです。
・進歩性 これも重要。要するに、普通のエンジニアが簡単に思いつかないことです。簡単に思いつくようなものは、わざわざ国が他の人たちの自由を制限するほどのものではないということで、こういう進歩性の要件が加えられているわけですね。2項はこういう趣旨なのです。
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まとめると、「特許」を受けるためには、まず「発明」でなければならない。そのためには、2条1項の四要件を満たす必要がある。すなわち、自然法則の利用、技術的思想、創作性、高度性である。発明であることを前提として、「特許」を受けるための要件は、三つ。それは29条に規定されていて、産業上の利用可能性、新規性、進歩性である。
今日は大変お勉強になりましたね。何かを「発明」して、特許をとりましょう。そしたらビルが立つほど儲かるかもしれませんよ。
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特許法のコンテンツ
「特許権」と「実用新案権」があります。
「特許権」については、
大きく、2つに分けて考えましょう。
特許権の「性質」と、「手続き」です。
まず、「性質」ですが、
・特許権の性質 特許権とはそもそも何か、要件など
・侵害 何をすると特許権の侵害になってしまうのか
・利用 どんなふうに利用できるのか
それと「手続き」
・特許取得手続 特許権をとる手続き
・行政争訟 取れなかったときにその手続きの無効などを求める手続
・権利侵害からの救済手続 誰かが特許権侵害したときの救済手続
この他に、発展的な問題として、
・「実用新案法」や「条約」
の問題もあります。
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不法行為法のコンテンツ
まず、
・一般的な不法行為
・特殊な不法行為
の二本立てです。
一般的な不法行為では、
・要件
・効果
が問題となります。
それから、特殊な不法行為では、
・使用者責任、工作物責任、製造物責任、共同不法行為が問題です。
![]() | 基本講義 債権各論〈2〉不法行為法 著者:潮見 佳男 |
一般的な不法行為の「要件」は、
・故意/過失
・権利侵害
・損害
・因果関係
・責任能力
・不法行為責任阻却事由
ですね。
(後ろの2つは、被告の方で抗弁として使える要件です。原告は主張立証する必要なし。)
「不法行為責任阻却事由」はさらに
・正当防衛緊急避難 刑法とちょっと違う点に注意
・承諾
・正当業務行為
・自力救済
というふうに分かれていきます。
![]() | 私をスキーに連れてって 販売元:ポニーキャニオン |
「正当業務行為」は、例えば、スポーツですね。相撲をやっていて、骨折したときに、相手選手に不法行為責任を問えるのかという問題です。問えません。正当業務行為の範囲だからです。ルールにしたがって範囲内のことだからですね。そう解釈されています。
ただし、実際には過失が認定しておいて、正当業務行為だから責任阻却するという判決はめったにないようです。
![]() | 大相撲大全集~平成の名力士~ 販売元:NHKエンタープライズ |
ここでちょっと問題。
社交ダンスをしていて、相手ダンサーがヘマをしたために、骨折した場合、相手ダンサーに対して不法行為責任を問えるか?
正当業務行為として、責任阻却するか、あるいは、被害者の承諾があったものとして責任阻却する方法がありますね。(ダンスを踊っていれば怪我をすることを承知で、ダンスをしているから、黙示的な承諾があったと考える。)ただ、実際の裁判では、公序良俗に反しない承諾であっても、責任阻却として不法行為責任が皆無であるとするよりも、責任を認めつつ過失相殺でコントロールする方法のが一般的のようです。
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>>講評
多数当事者の部分をよく整理しましょう。
>>説明
民事訴訟法は簡単です。
前提と、実際の過程、発展という三段階にわけて説明します。
前提
・主体、誰が提起するのか。
・訴えの提起、どうやって提起するのか。
・審理の対象、対象は何か。何でも民事訴訟の対象になるわけじゃない。
実際の審理
・審理の過程、どんなふうに審理をすすめるのか。
・口頭弁論。審理の中心。
・証拠、どんなものを証拠にできるのか。証拠の種類は何か。
・終了と判決、どうなると終了できるのか。判決の効力は何か。
発展
・複雑な訴訟形態、訴えの客観的併合。原告と被告は一対一だが、訴訟物が同種の訴訟でできる場合にまとめるやりかた。
・多数当事者の訴訟、共同訴訟など。どうやってやるのか、仕組みはどうなっているのか。
・上訴、どうやって上訴するのか、どんなときに上訴できるのか
・略式訴訟手続き、簡単な訴訟手続きがあるのでそれについても触れる。
>>管轄とは?
分担の決まりですね。
任意管轄、専属管轄があります。当事者の意思によって勝手に決めてよいのが任意管轄。
>>移送?
他の裁判所に移転することですね。
管轄違いの移送などが有名ですよね。
>>当事者能力?
当事者能力がないと訴訟の主体とはなりません。当事者能力っていうのは、抽象的な判断能力のことです。民法で権利能力という概念がありますが、権利能力のある人はすべて当事者能力を持つことになります。人間は誰でも当事者能力を持つ。法人も同じ。権利能力なき社団なども代表者などが決定していれば、当事者能力を認めることができます。
>>訴訟能力?
当事者能力、訴訟能力、当事者適格、弁論能力という能力系の問題があります。右に進むほど、より高度な能力ということになりますね。
訴訟能力というのは、単独で裁判したり、裁判を受ける能力のことです。民法の行為能力に対応する概念です。ですから、未成年者などは訴訟能力があるのかというと、原則否定されてしまうわけです。
>>弁論能力?
これは、裁判がスムーズに進むように、実際に弁論できる能力があるかという問題です。訴訟能力は当事者保護のためのフィルタと考えられますが、こっちの弁論能力のほうはむしろ本人というよりも、裁判全体の進行を考えてフィルターしていると考えるべきですね。
>>訴えの種類
給付、確認、形成。
>>訴状には何が書いてあるか。
必要的記載事項と任意的記載事項がある。必要なのは、当事者(原告と被告の名前、山田太郎と鈴木花子など)、法定代理人(弁護士の名前など)、請求趣旨(主文に対応するもの)、請求原因(訴訟物に対応する要件事実)です。任意なのは、攻撃防御方法。
>>訴訟が係属すると?
訴訟参加できるようになる。裁判籍。時効中断の効果。など。
>>口頭弁論期日での反応は?
自白、否認、黙秘は認めると推定、「知らない」は否認を推定。
>>弁論の流れは?
申立(訴訟物、訴え却下・棄却を求める)、主張(請求原因事実の主張、これに対する抗弁、再抗弁など)、挙証(それぞれが証拠を出す)という段階で。
>>訴訟要件
>>多数当事者の訴訟
2当事者の訴訟と三面訴訟がある。2当事者は、共同訴訟(対等)と補助参加訴訟(主従)に分岐。共同訴訟は、必要的共同訴訟と、通常共同訴訟に分岐。必要的共同訴訟は、固有必要的共同訴訟と、類似必要的共同訴訟にわかれる。要するに、どういう単位で対立しているかを考え、二面的なら、その対等関係を考え、必要的共同訴訟か通常共同かを考える。必要的共同訴訟なら実体法的に絶対に必要な固有か、それとも便宜上必要とされる類似必要的かを考えていく。
>>発生原因から考える
当初から共同訴訟をやる場合と、後から参加する場合がある。前者を固有の訴えの主観的併合といい、後者を主観的追加的併合という。後者は、さらに訴訟参加(参加人が自発的に参加)と訴訟引受・訴訟引き込みに分岐する。
>>選定当事者
>>主参加の訴え
三面訴訟とは違う。参加人の請求を併合して審理するか否か。
>>抗告
決定と命令に対する上訴のこと。
| C‐Book 民事訴訟法〈2〉訴訟の終了・多数当事者訴訟・上訴 著者:反町 勝夫,東京リーガルマインドLEC総合研究所司法試験部 |
| 多数当事者の訴訟 著者:井上 治典 |
商人とは、意外に奥深いもの。
商法では、商人について、まず、自分の名をもって商行為を仕事とする人のことだと定めてある。4条1項。
自分の名をもってというのは、権利義務の帰属が自分である、ということですね。
商行為とは何か。企業の活動としてする法律行為のことです。
商法の501・502・503に書いてあることが商行為です。ここに書いてあることだけが商行為。(厳密にいうと、特別法があるから、そこに書いてあるものも含む。ここで言いたいのは、制限列挙という点。)
よくいうのが、八百屋が客に野菜を売るのは、商行為ですから、八百屋は、商人ということになります。(501条の1号)絶対的商行為なのですね。やったら即、商行為。この他に、営業としてやったら、営業というのは計画性とか継続性があって営利目的のあることですね、商行為になるものも列挙されている。保険とか、運送行為とか。
ところが、こんどは農家が直売した場合、ここに挙げられている商行為にはならない。人から取得したものを売る場合は501条1号にありますが、自分で作った野菜を売ることは、ここにないんですね。501条から503条に規定されていない。特別法にもない。
でも、どう考えても、常識的には商人っぽい。そこで、それも商人とみなそうというのが4条2項の趣旨です。店舗で物を売る人は、商行為を業としていなくても、商人とみなす。そういう規定になっているわけです。
ですから、農家が直売する場合も、農家は商人になるわけですね。
一応、商人もこういう2種類がいるので、固有の商人と、擬制商人というラベルを貼っています。1項が固有の商人、2項が擬制商人ですね。
503条の付属的商行為ですが、これは商人が営業のためにする行為を、商行為とする。と定めています。ですから、上でいう農家の人が、直売の店舗を作るために借金したときは、それは商行為になるんですね。ただし、営業外の借金、たとえは゛、競馬で負けて、生活苦になったから借金するというときは、その農家のおじさんが営業外で借金を作ったことになりますから、付属的商行為にはなりません。
![]() | ヴェニスの商人 販売元:ポニーキャニオン |
>>講評
全体をみて分かるとおり、親族相続よりも、総則・物権・債権がヘビーであることがわかりますね。
どこの場面でも使う総則については、きちんと理解してください。
物権も契約の目的物として、物権が出てくることは大きいので、ここで理解に努めましょう。債権については、債権総論は抽象的ですが、どこにいってもつきまとうので、正確な理解をもって消化してください。多数当事者の議論など。債務不履行の処理の仕方など。債権各論では、個々の典型契約を理解することが重要ですが、さらに重要なのは売買や賃貸借など、重要度の高い部分を理解することです。売買では、同時履行の抗弁権、危険負担は絶対に押さえましょう。賃貸借契約では、借地借家法の適用のある場合があるので、これと一緒に理解する必要がありますが、全部を一気に覚えようとすると混乱します。まず民法を押さえた上で、借地、そして借家について理解するようにしましょう。
![]() | 民法 III [第3版] 債権総論・担保物権 著者:内田 貴 |
コンテンツを認識しても、それを棒暗記したところで意味はあまりありません。実際にそれを使いこなせるレベルに達しないと、大雑把にいうと「無価値」です。ただ、意味のあるレベルに達するためには、コンテンツの認識が大切だと思いますので、今日はそのつもりで学習してください。
民法は、先日も説明したとおり、五個に分けることができます。総則、物権、債権、親族、相続。それでは、個々の中身を見ていきたいと思います。
| 民法IV 補訂版 親族・相続 著者:内田 貴 |
>>総則。
これは、基本的な原理に始まって、主体の話、客体、法律行為の話と展開していきます。
主体の話というのは、人や法人についてですね。権利能力、意思能力、行為能力の話。それから不在者の扱いを説明します。
つづいて、客体。これは、物ですね。特定物とか不特定物、そもそも物とは何か、そういうお話をします。
それから法律行為。ここは、意思表示が大切です。意思表示とは何か。意思表示の到達主義と発信主義とは何か。意思表示の瑕疵があったらどうなるか、瑕疵の種類によって法律効果が違ってくるんですよね。それはどういう違いがあるか。具体的には心裡留保、虚偽表示、錯誤、脅迫、詐欺について扱います。代理制度について説明します。代理というのは、本人に法律効果を生じさせるために他の人に法律行為を行ってもらうことですよね。代理とは何か、代理権がない場合の無権代理の事後処理、それから表見代理が成立する場合、どんな処理ができるのか。それから、法律行為の無効と取消し。意思表示の瑕疵がある場合には、無効だったり、取消しになりますね。その差異について説明します。それから、条件と期限、期間について説明します。達成するかわからないけれども達成したら発効するのが条件で、必ず達成する一定の条件が達成したとき発効するのが期限でしたね。期間の数え方についても説明します。それから、時効。消滅時効と取得時効、取得時効は物権でも扱いますが、ここで説明します。
![]() | 民法 (1) 総則・物権法 著者:我妻 栄,川井 健,有泉 亨 |
>>物権
物権とは何か、占有権、所有権、用益物権(物を用いて利益することを権利の内容とする)について説明します。
物権とは何か。物の特定性とか、集合物とか、それから物権の性質について話した後、物権変動の問題を扱います。いつ物権が変動するかという問題です。対抗要件、それから立木の明認方法、物権が消滅する場面について解説します。
占有権というのは、事実上の占有を権利として認める権利のことですが、占有権が取得される場合について説明した後で、その効力について説明します。占有訴権について説明した後、動産の即時取得制度について解説します。
所有権は、典型的な物権です。所有権が制約される場面、所有権が取得される場合について説明。共有状態ではどのように処理するかを学びます。
最後に用益物権。ここでは、地上権、地役権をまとめて扱います。永小作権も扱いますが、ちょっと触れる程度にしましょう。
この他に担保物権と呼ばれる分野もあります。
留置権、先取特権、質権、抵当権、それから非典型担保物権である譲渡担保などについて説明します。
質権は、動産質、不動産質、権利質がありますね。それぞれの特性について。抵当権、これが担保物権の胆ですが、抵当権とは何か、その効力、処分のしかた、消滅する場面を学びます。派生的な問題として、共同抵当の特性、根抵当も説明します。
![]() | 民法 (2) 債権法 著者:我妻 栄,川井 健,有泉 亨 |
>>債権
債権は、記述が長く、整理しないと複雑で、それでいて重要な部分です。しっかり整理して理解してください。
債権は、債権総論と、債権各論に分かれます。
債権総論について。目的(目的物など)、効力、多数当事者、債権譲渡(債務引受)、消滅について学びます。目的では選択債権などを説明。効力では、債務不履行の問題と、債権者代位権、債権者取消権について説明します。多数当事者の債権債務関係では、分割債権などと、連帯債務、保証債務を扱います。債権譲渡では、債務引受もやります。消滅では、弁済などによって終わる場合と、相殺などによって消滅する場合を扱います。代物弁済、供託もここで、それから、更改、免除、混同の意義について説明します。
債権各論では、契約の全体像、それから典型契約について説明します。民法の典型契約は、あくまで当事者の合意した契約を補助する立場であることをお忘れなく。それから、事務管理、不当利得、不法行為について説明します。
まず、契約一般の全体像ですが、どうやって成立するか、その効力、解除できる場合とその効果を説明します。効力が胆。同時履行の抗弁権の考え方、危険負担、第三者のためにする契約についてしっかり理解してくださいね。
典型契約の説明では、贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用契約・請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解という13の典型契約を扱います。売買では、売買契約の効力、再売買の予約を説明しましょう。それから、賃貸借は、成立、効力、終了する場合を説明します。特別法である借地借家法についても民法と同程度の注意をもって理解してください。
不法行為は、一般的な要件と効果を説明。それから特殊に規定されている不法行為、使用者責任とか、工作物責任とか、こういうものを説明します。
![]() | 民法〈3〉親族法・相続法 著者:我妻 榮,遠藤 浩,有泉 亨,川井 健 |
>>親族
親族では、婚姻(結婚ですね)、親子、親権、後見、補佐、補助、扶養について扱います。胆は親子。ここでは、実子、養子、親権を扱います。
>>相続
最後に、相続。相続人はどんな人たちか。相続するとどんな効力が生じるか。限定承認、放棄など。財産分離のしかた、相続人がいない場合にどう処理するか、最後に、遺言について学びます。そこでは、遺留分についても学びます。
![]() | 辰已新司法試験新短答六法 民事系民訴 販売元:辰已法律研究所 |
刑法81条に、外患誘致罪があります。
外国と企画して、日本に対して武力行使するのがこの犯罪です。
これが怖い犯罪で、刑罰は一つしかないんです。それが死刑。
死刑は怖いですよ。執行されたら再審が開かれても、自分はもう帰れないわけですし、執行されるまでいつ執行日が来るのかわからない。執行日の朝に「今日やります」旨が言われて、やられてしまう。その間の恐怖といったら何と表現できるでしょうか。
ただ、外国と共謀して日本に武力行使させるという内容は、考えみるととんでもないことです。戦争を始めることに加担するわけですからね。。。そりゃ死刑でも仕方ない、罪と刑が均衡しているといえそうです。
![]() | 死刑のすべて?元刑務官が明かす 著者:坂本 敏夫 |
刑法は、国家が刑罰をかけるときの条件と効果を定めた法律です。
総論と各論。
総論は、基本原理(歴史、罪刑法定主義、適用)、犯罪論(構成要件・違法・有責・未遂・共犯など)、罪数(科刑上一罪、併合罪など)、刑罰(没収や執行猶予など)。
>>未遂って何ですか?
着手したが完全にやり遂げなかった場合です。
>>共犯は?
一緒に犯した場合です。
各論は侵害法益を基準として三つに分類。個人、社会、国家。
個人の法益に対する犯罪としては、殺人とか、脅迫、住居侵入、名誉毀損、窃盗などですね。特徴としては、個人的な利益が侵害される点ですね。殺人されると、被害者が生きる利益を奪われる、侵害される。
社会的法益については、放火、通貨偽造、賭博などです。放火すると、個人だけでなく、町の社会全体に対して迷惑が及ぶ。迷惑というか、生活の安全という利益を侵害される。お金の偽造もそうですね。
国家については、内乱罪、賄賂など。賄賂がはびこると、国家が腐敗しますよね。それが禁止されるのは国家が正常に機能する利益を侵害されるからです。
各論は総論を使って考えていきます。当然ですが。
例えば、殺人であれば、殺人の構成要件が何かは各論の問題ですが、違法性の判断手順や、有責の判断は、総論のとおりにやります。正当防衛が成立すれば違法性が阻却されて、殺人罪は不成立です。無罪。未遂、共犯についても同様に考えます。殺人とその他の犯罪をセットでやった場合の罪の数はいくつと考えるのかは罪数論で考えます。そして、忘れはならないのは、基本原則が機能している点。謙抑主義や罪刑均衡主義などは、どこの場面でも働き続けている点に注意しましょう。
| 刑法総論の思考方法 著者:大塚 裕史 |
憲法をやや細かく見ると、総論、人権、統治に分割できる。
総論は、基本的な原理を説明しています。
人権は、主体と、人権に分かれます。人権は、13条の一般規定と、その他の個別規定から構成されている。精神的自由権、経済的自由権、社会権、それから、刑事に関する権利、政治に参加する権利という具合に。社会権は、資本主義の行き過ぎを修正するための制度ですね。
統治は、立法、行政、司法がまずあります。それと、財政(お金をどう集めて、どういう手続きで予算や決算をするか)と、地方自治(都道府県の独立的な権能は何かあるのか?)、憲法保障(改憲はなかなかできない)といった内容になっています。
![]() | 高校生からわかる 日本国憲法の論点 著者:伊藤 真 |
![]() | 憲法判例百選〈1〉 販売元:有斐閣 |
憲法の条文は少ない。103条しかない。
それも、よく使う条文はすごく少ない。
少ない条文であるし、条文自体も非常に簡素です。色んな意味にとれる。そこで、条文の意味が過去の判決で色々と示されています。「これはこう書いてあるけど、こういう意味なんだ。」とかね。
ですから、憲法を理解するためには、判例も憲法の一部のようにして学ぶことが大切です。判例を押さえないで憲法を読んでいるだけでは、憲法を全て読まないで憲法を読んだというに近いと考えてください。
![]() | 憲法判例百選 (2) 著者:芦部 信喜,高橋 和之,長谷部 恭男 |
なんで憲法があるのでしょうか?
国民は自由でありたい。皆、のびのびとやれたら、理想のようですね。ノスタルジア。
けれども、皆が自由になるとどうなるでしょうか。ろくなことにならない。口喧嘩では済まないでしょう。とんでもないことになる。
そこで、国家が出てきて、これを調節する必要がある。水戸黄門や大岡越前、仮面ライダーなんかが出てきて、正義を実現したりする。
![]() | 黄門晴れ姿 販売元:アイコ |
そこで、国家に制約をかける必要が出てくる。国家に制約をかけて、ここまでの自由は国民に認めなければいけない、と国家を縛りつける。あるいは、国権を三つの機関に分散させて、相互の緊張関係を利用して国家が暴れないようにする必要がある。こういう工夫を施して、国民の生活を保障しているんですね。黄門様が暴れないように縛りして、黄門様の権限を分散している、性格にいうと違いますが、角さんだか助さんに印籠を預けておくようなものですね。
![]() | V フォー・ヴェンデッタ 著者:アラン・ムーア,デヴィット・ロイド |
その制約をきちんとした形で根拠づけるのが憲法です。
憲法は、こういう権利は国民に認めなければいけない、という規定を定めた(1)人権分野と、三権分立を定めた(2)統治と呼ばれる分野によって、国民の自由と権利を保障しているのです。
>>私は歴史が好きです。民法の歴史を教えてください。
ボワソナードという民法学者を思い出してください。法政大学の学生さんは聞き覚えがおありでしょう。
ボワソナードは、明治維新のときに、特にかく列強国のようなしっかりした法律を作る必要があるということで、フランスから招聘された人物です。彼は、フランス民法を参考にして、日本の民法を作りました。
>>それじゃ今の六法全書に載っている六法もボワソーナードが書いたものなんですか?
違います。そこが面白いところでして、ボワソナードが作った民法は革新的すぎると批判されて、結局施行されませんでした。
今の民法も明治自体に作られたもの、家族法の部分は戦後に変わっていますが、それから最近ひらがな化されましたが、おおもとは明治時代から脈々と承継されているものなんですね。
| 日本民法義解 財産編 著者:富井 政章,ボアソナード |
>>じゃぁ今の民法は誰が作ったんだろう(笑)
梅さん、富井さん、穂積さんという方々が作りました。ドイツ法やフランス法など、とにかく色んなものを参考にして、色々と議論して作り上げた。この大部分が今も残っているわけです。
>>明治時代といったら、今から150年くらい前ですよね。そんなに長くよく持っているなぁ。世の中変わっているのに。
そうですね。世界は変化している。実際、民法では直接書いていないことが大切になってきたり、あるいは書いてあることはあまり実際上は重要でないということは結構あります。
例えば、物権というのは法律に定めのないものは認めてはならないのが原則ですが、判例によって譲渡担保などが認められていますよね。譲渡担保は今の世の中では必要。でも、民法典には規定がない。そこで例外的に存在を認めているというわけです。
それから、不足している部分は、特別法によって補われる方法もとられてきた。借地借家法はその典型例ですね。民法の原則によると、売買は賃貸借を破りますので、地震売買というんですが、賃借人に黙って所有者が変わってしまって、新しい所有者が「出ていけ」ということが起きた。これでは借り主としてはたまったものではないということで、特別法を作って、賃借人を保護する制度が出来たというわけです。製造物責任法も、過失の認定が難しいということで、瑕疵の存在だけで責任を認めようという趣旨で作られた特別法でしたよね。
>>そうすると、特別法も民法と同じくらい大切ということになりますね。
そうなんです。実際、特別法を知らないで、紛争の解決は無理な場面が多い。勉強を初めるときはまず民法の原則を押さえるべきですが、そこで満足してはだめで、特別法も民法の一部のように考えて学ぶ態度が重要ですね。
![]() | 借地借家の法律相談 著者:野辺 博,高岡 信男,上条 司,金子 正志,野崎 晃 |
>>「民法」の構造を教えてください。
民法に何が定めてあるのか。民法はそれ自体で1000条以上あります。分厚いですね。全体構造がわからないと、迷子になってしまうかもしれません。それでは、どんな構造になっているのかご説明したいと思います。
まず、5つに区切られていることを意識しましょう。総則、物権、債権、親族、相続です。
総則。これは、その後の四つの章でも使われる原則といいましょうか、汎用性の高い規定が抽出されて、ここに書いてあります。意思表示のこと、権利能力、行為能力、条件、期限、代理人、無権代理、表権代理、法人、いろんなことが書いてあります。
>>どうして抜き出したんですか?
いちいち個別のところにも同じことを書いていると、きりがないからです。ただでさえ、1000条以上もあるのに、総則の部分を散らせて書いたら、もっと膨らんでしまう。コンパクトを追及して、総則というものが抜き出されているんです。一般的な規定を集めて、最初のほうに書く編集方法をパンデクテンシステムといいます。民法はこれを採用したわけですね。
![]() | 民法 I [第3版] 総則・物権総論 著者:内田 貴 |
>>総則のあとの4つの章について、もう少し詳しく教えて下さい。
そうですね。お話を戻しますと、民法は、総則、物権、債権、親族、相続の五つに分かれている。
次は物権です。これは、物についての権利を規定した章と考えてください。借金したときの抵当権がどういう性質のものかとか、どんなふうに何年占有していたら他人の土地が自分のものになるかとか、そういうことが書いてあります。
債権。これはちょっと難しいですね。債権というのは、ある人に何かを負担させる権利のことです。土地を渡す義務を負わせたり、医者に診療させたりする。そういうのが債権だと考えてください。契約関係のことや、不法行為、事務管理(頼まれていないのにおせっかいした人の扱い)、不当利得(法律上の原因がないのに不当な利益を得た場合にそれを返せと請求できる)がこの章の内訳です。
それから、親族。これは家族についての規定がまとまっているところです。結婚とか離婚とか、子供の認知とかの問題がここに書いてありますね。
相続。おじいさんが死んだときに、息子たちが遺産を相続しますよね。そういう相続のルールが書いてあるのがここです。
全部で、1414条もあります。
その一つ一つが何らかの私人の権利を定めているわけです。
その解釈も多岐に渡る。
そう考えると、うんざりされるかたもいるかもしれません。
しかし、世の中の社会現象をたった1414のルールで規律しているとみれば、
すごくコンパクトな法典だと思いませんか?
もちろん、漏れてしまう現象はあるわけですけれども(笑)
![]() | 民法総則 著者:伊藤 真 |
今日は、「民法」とは何か、というお話をします。名前くらいは聞いたことがありますよね。
民法は、例えば、離婚のこと、お金の貸借り、詐欺、契約、売買契約もそうですが、そういった市民間の関係を定めている法律なんですね。市民と市民の関係を規律している法律なんです。
民事法といいますと、こういう文字通りの民法のほかに、さまざまな特別法もいうわけで、製造物責任法、おもちゃで子供が怪我をしたときにメーカーに責任を問うあれですね、それから、借地借家法、大家さんから土地を借りて家を立てている場合に適用されるものです、こういうものなんかがあります。イメージが湧きましたでしょうか?
>>刑法とはどう違うんですか?
刑法は、国家が犯罪者に刑罰を加える場合を規律した法律でしたよね。民法というのは、まず、私人間の法律でしょう。これに対して刑法は、国家と市民の関係を定めた法律といえる。ここが違いますね。
それから、刑法では罪刑法定主義といって、行為時に法律が成文として制定されている必要がありますが、民法は違います。ですから、民法では類推解釈がよく使われますね。それから、判決のときも、刑事訴訟では何条を適用すると書いてありますが、民事訴訟では特に明記がありません。
そういった違いがありますね。
しばしば法律というと、憲法や刑法のほうが、民法よりも、身近に感じられるかたが多いようですね。憲法は社会化で習うし、刑法はドラマとかで裁判が出てくると大概が刑事ものですし、民法というのは離婚や相続、お金の貸借り、自動車事故のときなど、ちょっと一大事が起きないと、なかなか接触しない。だから、民法はあまり身近なものだと意識されていないようです。
ドラマになりにくいのは、民法がちょっと複雑なところがあるかもしれませんね。でも、刑法よりも、ずっと身近なものだと感じてほしいと思います。刑法は犯罪をしたと疑われるようなことがない限り、接触しない。ほんとうにめったにそういうことはないわけで、それなら民法のほうが親近感がわくでしょう。
民法はある意味、私たちの社会生活の基盤だといってもいい。そういうイメージで民法をとらえてしほいと思います。
![]() | media5 Premier TAC 公務員試験「憲法・民法・行政法」2006年度版 販売元:メディアファイブ |
複数の原告、複数の被告で行うような訴訟形態を、共同訴訟といいます。
ふつうの訴訟は、1対1だけど、複数当事者というところが違うところ。
共同訴訟は、どんな場合でも認められるわけではなくて、一定の要件が必要。
同じ権利義務を争う場合、同じ原因から派生した権利義務法律関係を争う場合、それと、同種の権利義務法律関係に争う場合の三種類です。
共同訴訟は訴訟当事者をまとめる考え方だけど、訴訟物をまとめるのは、訴えの併合。
トラックの荷台に人が乗り合うのが共同訴訟で、荷台に積載するのが訴えの併合ってわけ。
![]() | 民事訴訟法判例百選 著者:伊藤 眞,高橋 宏志,高田 裕成 |
>>担保責任って何ですか?
有償契約(売買など)で、目的物に瑕疵があったときに供給した側が相手方に対して負う責任のことです。
>>瑕疵?
かし、です。傷のことですね。目に見える傷でなくても、機能が正常ないことも瑕疵になります。買った土地に知らない権利がついていたら、それも瑕疵。
>>どんな責任を負うんですか? オークションとかで売り買いすることが多いけど、心配だなぁ。
瑕疵が何にあるのかで、担保責任も二つに分かれるんです。
物に対するものと、権利に対するもの。
オークーションで取引するのは、たとえば、パソコンとかですよね。これは物(有体物、目に見えるもの)だから、正常なパソコンってことで購入したところ、じつはぶっ壊れてたっていうときは、担保責任が発生する。物に対する瑕疵にもとづく担保責任は、とくに、瑕疵担保責任といいます。
これに対して、土地の所有権を買ったら、言っていたものより土地が狭かったとか、じつは売り主のものじゃなかったというときも、瑕疵があることになる。これは権利についての瑕疵ですよね。こういう瑕疵にもとづく担保責任は、追奪担保責任といいます。
![]() | 建築工事の瑕疵責任入門 著者:大森 文彦 |
本来は、権利の瑕疵にもとづく担保責任というべきでしょうね。もともとは、目的物を第三者に奪われたときにそれを追って取り返すといったような担保責任を言っていたので、こういう名前が使われているんです。今では、そういう場面に限られていませんから、「権利の瑕疵にもとづく担保責任」として理解しましょうね。
>>なるほど。そうすると、オークションで、限定品のTシャツを10セット買える権利、を落札したところ、5束しか買えなかったら、追奪担保責任ってことですか?
そうですね。カテゴリとしては、数量不足の場合とか、目的物が他の人のもの(一部、他の人のもの)の場合、他人の権利がくっついている場合などがありますね。
>>ふーん。瑕疵の所在が物か権利かで責任が違ってくるってことなのかな。名前も違うし。
そうなんです。担保責任の種類によって、どんな責任を負うかも違ってきます。
契約のタイプによって、独自の責任が認められるものもあります。
請負(仕事の完成に対して対価を払う契約)とか、利息付消費貸(利子つきの借金契約)なんかがそうですね。
請負だと、瑕疵を直してくれという請求ができるし、例えば、大工さんに家を作らせたら、ちょっと柱が傾いていたら、ちゃんと直せと請求できる。
それから、利息付消費貸借では、物に瑕疵があったときは、取替えてくださいと請求できる。たとえば、お醤油を貸してもらって、4%の年利をつけて返すという契約のとき、借りたお醤油が腐ってたら、まともなものと取替えてくださいと請求できるわけです。
![]() | 日本の味 醤油の歴史 販売元:吉川弘文館 |
>>じゃぁ、落札したパソコンが壊れていた場合はどうなるの?
物の性状についての瑕疵だから、瑕疵担保責任ということになりますね。売買契約を解除したり、代金を安くしてもらったり、損害賠償を請求することもできます。
>>あ、今思ったんですが、例の耐震偽装のマンションって瑕疵担保責任が発生するんですか?
売買契約の目的物についての物の瑕疵ですから、瑕疵担保責任ですよね。担保責任をなくす特約は有効ですから、それがあったら別ですけど、そういうのがなければ、瑕疵担保責任があるわけです。
効果として、買主は、売主H社に対して、売買契約を解除したり、代金を安くしてもらったり、損害賠償を請求することもできるでしょうね。
>>じゃぁ解除して引っ越せばいいのに。お金も戻ってくれるんでしょう?
解除のためには、瑕疵について知らなかったこと、それからその瑕疵によって契約の目的が達成できないことが必要なんです。今回の場合は、買主は知らなかったでしょうし、耐震的に問題があれば事実上、居住できないわけですから、売買の目的も達成できない。そうすると、解除が可能ということになるでしょうね。
解除できるとすると、契約当事者は原状回復をしなければなりません。545条に書いてありますね。ただ、第三者を害すことはできないので、その点は注意が必要。今回は、第三者を害するということはありませんから、単純に解除できるでしょう。
![]() | 耐震偽装?なぜ、誰も見抜けなかったのか 著者:細野 透 |
>>解除すると、お金が戻ってきて、引っ越せるんですよね?
お金を戻すように請求できます。ただ、H社に十分にお金がないと、裁判で勝ってもお金は戻ってこない。お金のない人からお金はとれないのです。集団的に訴訟してしまうと、結局、全額とることは無理でしょう。
解除すると、買主はもう買主としての地位がなくなってしまいますので、出ていくことになる。
>>出でいくときの引越し屋の費用とかはH社に請求できないのかな。
できますよ。法律上は請求できるけれども、ただ、たぶんお金がないので、お金は実際には取れないでしょう。
>>買主は可哀想だな。
国が税金で多少バックアップするようなことがあるとかないとか、そういう話が出ていますよね。
>>そうか。そうすると、納税者の負担のもとに、買主が保護されるってことがあるかもしれませんね。
そうですね。そうなると、国民が憎むべきは、耐震偽装物件を売りつけた売り主ということになりそうです。
![]() | 新築・引越しの風水家相術?秘法!新居・間取りの風水学をやさしく解明 著者:文屋 圭雲 |
>>たしかに。その人が詐欺をしなければ、買主は買わなかっただろうし。買わなければ、税金がムダに使われることもなかったんでしょうし。
今、詐欺といいましたね。それは、成立するかもしれません。詐欺は、96条1項で、詐欺による意思表示を取り消せることになっています。ただ、善意の第三者を害することはできない。ただし、今回の場合はやはり問題ないでしょう。善意の第三者は登場しませんから。
>>詐欺で取消すとどうなるのですか?
買主がH社に対して取消しの意思表示をすることで、売買契約の申込みか承諾の意思表示がはじめからなかったことになる。その結果、契約自体なかったことになります。
なかったことになれば、マンションを引き渡す代わりに、払ったお金を戻すように請求できますね。法律上原因がなく利益しているということで、相手方に対して不当利得にもとづく返還請求をすることになるでしょう。
ただ一つ問題があります。それは取消権の時効なんです。取消しは、追認できたときから5年、行為のときから10年の間しか行使出来ない。マンションを購入してから10年を経過しているとアウトだし、追認できたときから5年でもアウトでしょう。取消しできなくなってしまうんです。買ったときからすぐに追認できたと考えれば、もう5年経過していてアウトかもしれませんね。
![]() | 難波金融伝 ミナミの帝王 23 詐欺の手口 販売元:ジーダス(JSDSS) |
>>じゃぁやっぱり瑕疵担保責任だ。
そうですね。じつは、瑕疵担保責任にも時効があるので注意が必要です。買主が瑕疵の事実を知った時から1年以内に解除や損害賠償請求をしないと、できなくなってしまうんです。
一連の報道があった時を基準としても、今からおろおろと解除や損害賠償を請求したのでは、時すでに遅しということになってしまうでしょう。
>>時効か。色々な点に注意が必要なんだな。
正確にはこの1年間は除訴期間です。時効では停止や中断がありえますが、除訴期間はそのまま進行してしまいます。
>>ところで、どうして瑕疵担保責任という責任が認められてるんですか?
瑕疵担保責任は、有償契約についての責任でしたよね。有償契約というのは対価的な交換を目的とする契約のことでした。この「対価的」というのが重要です。
マンションに1000万円の価値があると思って、1000万円で買う契約を締結したわけです。それが耐震問題があるために、10万円くらいの価値しかないとしたら、契約の基礎が崩れてしまうわけです。対価的な交換にならない。そこで、そういう不公平なことにならないように、不公平になってしまう側の人間に相手方の責任を追及する方法を与えているのが、担保責任なんですね。
![]() | 社会責任投資の基礎知識?誠実な企業こそ成長する 著者:秋山 をね,菱山 隆二 |
>>公平のために存在しているんですね。
そういうことです。民法1条2項の信義・誠実に権利の行使・義務の履行をしなければならないとありますが、そういうところに現れているような公平性を体現した制度といえるでしょう。
>>そうすると、瑕疵っていうのは、契約締結時には分からなかった必要がありますね。
そうです。瑕疵担保責任の瑕疵は、隠れた瑕疵である必要があります。ふつうの人が気づけない瑕疵、ふつう備えているべき性質が欠けた状態といってもいいですね。
>>それじゃ、スーパーで買った「たまご」が一個割れていたといったときも、瑕疵担保責任でスーパーに請求を追及できるのですね。
それはちょっと問題があります。じつは、瑕疵担保責任というのは、本来的には、特定物(物の個性に注目して取引した物)を対象とした制度だからです。
![]() | たまひよ妊娠大百科?たまごクラブ 販売元:ベネッセコーポレーション |
>>特定物?
ピカソの絵などは、特定物ですね。マンションも特定物でしょう。これ以外ではない、その物の個性に価値を見出して、購入することを決めているからです。
これに対して、「たまご」は個性に注目して取引する物ではないということで、不特定物になりますね。
>>それはそうですね。「たまご」はこれでもあれでも変わりない。たまごであれば、皆同じです。
そうすると、不特定物の瑕疵ということになる。これに、特定物を対象とした瑕疵担保責任の考え方を適用していいものだろうか。これが法定責任説と、契約責任説という考え方の分かれるところなんです。
![]() | 現場監督が暴く!欠陥マンションの簡単な見抜き方 著者:山河 宗太 |
>>どういう考え方なんですか?
法定責任説は、特定物は原状をそのまま引き渡すだけでよいという原則をとると、先の不公平が出てしまう恐れがあるので、これを解決するために、特定物専用の制度として瑕疵担保責任を設けたと考えるんです。専用ですから、不特定物には適用されない。不特定物なら通常の債務不履行責任を使えばよいだろうということになります。
これに対して、契約責任説は、本来、契約というのは本旨にしたがった履行を目的としているのだから、特定物・不特定物に関係なく、瑕疵ある目的物を提供した者は、瑕疵担保責任を負うと考えます。この考えかたによると、「たまご」の瑕疵担保責任を追及できそうですね。
一般的な見解は、法定責任説です。そうすると、「たまご」の場合は、瑕疵担保責任を追及できそうにありませんね。
![]() | はじめての債権各論 著者:尾崎 哲夫 |
>>担保責任って何ですか?
有償契約(売買など)で、目的物に瑕疵があったときに相手方に対して負う責任のことです。
>>有償契約?
有償契約は、売買契約とか、請負、賃貸借、それから利息付きの消費貸借契約なんかのことですね。AさんとBさんで契約するとき、お互いに等価のものを交換する契約が有償契約です。
たとえば、100万円の絵を売ることで、100万円をもらう。対価的な交換があるので有償契約なんですね。
>>無償契約ってあるのんですか?
ありますよ。無償契約っていうのは、使用貸借とか、贈与とかですよね。一方的に与えるだけの契約のことです。
たとえば、100万円を相手に与えるといって、相手がいいですよ、とえば贈与ですよね。相手方は100万円の対価を給付しないで、100万円もらえる。これが無償契約です。
>>何か、片務契約と同じ意味ですか?
厳密にいうと、違います。片務契約っていうのは、当事者の片方しか等価的な債務を負わない契約のことですよね。
たとえば、パソコンの使用貸借がある。10万円のパソコンを返す債務を負っているだけですよね。だからこれは片務契約。贈与なんかもそうですね。
>>負担付き贈与はどうですか?
負担付贈与は、双方が債務を負うけど、対価的ではない。だから、これは片務契約になるです。字だけ見ていると、双務契約になりそうだけど、対価的な債務を負うかどうかを基準とするから、片務契約になるです。
>>利息付消費貸借は?
ふつうの消費貸借は、使って返すだけだから、片務契約であることは明白。じゃぁ利息付きはどうか。利息付消費貸借は、片務契約。相手は同種同量のものを利息つきで返す債務を負うけど、貸したほうは何も債務がないでしょう。ただ、有償契約です。対価的な給付を内容とする契約なので。
>>ややこしい。
まとめると、双務契約かどうかは、「対価」的な「債務」を両当事者が負うかで決める。有償契約かどうかは、互いに「等価」的な「交換」をするという内容かどうかで決める。
>>形式と実質みたいな感じなんですかね。
![]() | はじめての債権各論 著者:尾崎 哲夫 |
推定には、事実上の推定と法律上の推定があり、法律上の推定は、権利推定と事実推定に分けることができて、さらに事実推定のなかには、暫定真実があるといいました。
それでは、喩え話をしましょう。
事実上の推定は、さきほど説明した「おなら」の話です。自分以外にエレベータに乗っている人は、そのお姉さんしかいなかった。そしたら突然、おならのニオイがしてきた。経験則からいって高度の蓋然性をもって、おならをしたのはそのお姉さんだと推定する。これが事実上の推定でしたね。
![]() | 屁タレどもよ! 著者:中村 うさぎ |
次、法律上の権利推定とは、どんなものか。188条が典型例だといいましたね。おじいさんがいて、その人が盆栽を自宅の庭で育てていた。これを隣町のAさんに売ろうといったとき、おじいさんは盆栽について適法な所有権を持っていると推定されるわけです。おじいさんが育てていたというのは実は嘘で、それが隣のおばあさんの物であることが真実だったとしても、とりあえず法律上は推定されるわけですね。真実に反することは、争う相手方が主張立証することになります。
![]() | 苔園芸コツのコツ?苔玉・苔鉢盆栽・苔盆景・木付け・石付け・テラリウム・苔庭 著者:手塚 直人,条 克己,岡田 雅善 |
次、法律上の事実推定。186条2項でいきましょう。山があって、そこに木がはえている。ある仙人がこれを20年前に占有していたとします。証人もいて、「たしかに、20年前、仙人がこのご神木を仙人本人のために支配してただぁ」と言っています。そして、「今日さ、仙人がこのご神木の仙人本人のために支配をしてるだにぃ」という証言もとれました。そうすると、20年前と今日の占有の事実があったことになります。すると、186条2項によって、その間もずっと仙人が占有し続けてきたことが推定されます。推定ですので、神木の占有について争いたい人がいれば、「いや、そりゃ違うだ。15年前から10年前までの5年間は、ほっぽらかしてた。その間は、おらがおらのために支配してただ」という証言が出れば、推定が覆ることもありえます。(その結果、取得時効が不成立になるでしょう。)
![]() | となりのトトロ 販売元:ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント |
最後に暫定真実。これは、法律上の事実推定の一カテゴリーでしたね。
186条1項で喩え話をしましょう。
先の例でいえば、仙人は神木を占有していたわけですから、仙人は、所有の意思をもって、公然平穏善意で占有していたと推定されます。(これを覆す主張立証がなければ、20年間の占有で取得時効できることになるわけですね。20年の取得時効は、所有の意思と、公然平穏で足りるからです。10年の取得時効のほうは、プラス善意無過失。186条1項の推定では、無過失は推定されないので、これは別途立証することになります。もっとも、悪魔の証明になってしまうので、立証責任は相手方が負うことになりますね。)
| ドキュメント 悪魔の証明?検証 中国人強制連行事件の40年 著者:石飛 仁 |
事実上の推定と、法律上の推定。
これは民事訴訟法の話です。
事実上の推定は、自由心証主義によって経験則で推定すること。立証責任は転換しません。
ある事実があれば、高い確率で証明しなければならない別の事実があったことを推定するという考えかた。
(例えば、おならのニオイがして、自分以外にAさんしか近くにいなかったとしたら、Aさんが放屁した蓋然性が高いと経験則推測できるので、Aさんの放屁が推定される)
法律上の推定は、法律によるもの。立証責任が転換されます。
それで、法律上の推定は、二つに分かれます。法律上の事実推定と、法律上の権利推定。
法律上の事実推定は、こういう事実があったらああいう事実があるものと推定すると法律に書いてあるものです。
(たとえば、民法186条2項。占有のスタートポイントとゴールポイントを立証したら、その間の占有は継続していたと推定。開始時と終了時に占有の事実があったら、その間の占有継続の事実を推定というもの。)
さらに、法律上の事実推定のなかには、
暫定真実というものもあります。
暫定真実は、前提が全くなくて、
いきなり推定してしまうというものです。
(たとえば、民法186条1項の占有の態様の推定。
占有している人は、所有の意思をもって、
公然・平穏・善意に占有していると推定する、
というやつですね。)
法律上の権利推定は、こういう事実があったらこういう権利を推定すると書いてあるもの。
(たとえば、民法188。占有している人が占有している物に対して行使する権利は、適法に有する権利だと推定。占有者がいて、物を占有していて、それに対して権利を行使する事実があれば、適法な権利であると推定するわけですね。)
![]() | おなら犬ウォルター 著者:ウィリアム・コツウィンクル |
どんな債権でも債権譲渡できるかというと、そうではありません。
まず、性質上できないものは、ダメです。
慰謝料請求権とかはダメなんですね。
そば屋が離婚して慰謝料とれる場合であっても、それを移転してもらえないということです。
![]() | 離婚でソンをしないための女のお金BOOK?慰謝料・財産分与から年金・公的援助まで 著者:音川 敏枝,離婚とお金を考える会 |
債務不履行で損害賠償請求権が認められた。しかし、相手方に資力がなくて、泣き寝入りになりそう。こういうケースをよく効きます。
何か、救済する方法はないでしょうか?
相手方が優良な債権を所持しているときは、「債権譲渡」という方法を検討しましょう。
債権譲渡というのは、債権を譲渡してもらうことです。文字通り。。。
より厳密にいうと、債権の同一性を保ったまま、契約によって移転する行為をいいます。
民法466以下に書かれているのがこれです。
相手方が0円でも、その債権をもらうことで、その債権を行使してお金を回収することができます。
例えば、そば屋さんが10万円のツケを払ってもらえる債権をもっているものの、無資力になっている。こういうときには、その債権を譲渡させて、それを行使するわけです。10万円をとることが結果として出来るわけですね。
お金を払ってもらうような債権は、性質上、譲渡できますが、性質上、それができないものもあります。
![]() | もっとソバ屋で憩う?きっと満足123店 著者:杉浦 日向子,ソバ好き連 |
交通事故が起きて、被害者Aさんが損害賠償として1000万円を加害者Bさんから取れることになったとします。
Bさんはそば屋さんで、Aさんは10万円のツケをしていたとします。
この場合、Bさんとしては、10万円をさっ引いて、990万円の支払いをすればよい、としてよいでしょうか?
答えは、ノー。
これは、不法行為によって生じた債権を受働債権とする相殺の禁止を規定した民法509条の問題です。509条によると、これは禁止されます。つまり、Bさんとしては1000万円を支払って、その後、10万円を別に回収するということになります。
なぜこういう考え方をするかといいますと、被害者Aさんの補償のために、1000万円が必要だからです。Aさんが治療費として1000万円を使い切ってしまい、財産が0円になってしまった後、Bが10万円を請求すると、10万円を回収できません。これは逆側からみれば、1000万円の補償をAさんがきちんと受けられたことを意味します。
もし、相殺を認めて、990万円でよいとすると、Aさんは治療費に1000万円を使おうとしても、990万円しかなく、10万円不足してしまいます。これでは、Aさんは正当な補償を受けたことになりません。そこで、不法行為から生じた債権(損害賠償を内容とする債権など)を受働債権とした相殺は禁じられているのです。
では、被害者側がその債権を自働債権として相殺の意思表示をしたときはどうなりますか?
答えは、可能です。
509条は、あくまで受働債権とした相殺を禁じるものです。
なぜこのように考えるのでしょうか。それは損害賠償によって実際に補償を受けられる立場にある側が、その利益を捨てることは自由だからです。自分が利益を捨てるといっているのだから、それは認めてもいいという考え方になるわけです。
![]() | 交通事故と示談の仕方?交渉の仕方から賠償額の算定・解決手続きまで 著者:長戸路 政行 |
それでは、ちょっと問題を変えましょう。
ある日、加害者Pさんが被害者Qさんとの間で交通事故を起こしました。しかし、見方によっては、立場が入れ替えて、被害者Pと加害者Qの形で見る事もできます。裁判をした結果、PQそれぞれに損害賠償を支払ってもらえる債権r1,r2が認められました。
このとき、お互いの債権を相殺することは可能でしょうか?
答えは、これもノーです。
509条の趣旨は、損害賠償を実際にさせることで補償を確実にするというものです。ですから、まずr1について損害賠償をさせた後、r2については、r1とは切り離して損害賠償をさせることになります。
仮にr1で1000万円の賠償をさせるとします。これを被害者Qが全額補償に使ってしまい、財産が0になってしまうと、こんどは、r2については損害賠償を得ることができません。Pが500万円の賠償を実際にやってくれといっても、0円なので、実際には効き目がないわけです。
なんとも不合理な感じのする結論。でも、これが判例の態度です。
この判例は昭和49年6月のもので、乗用車(ドライバーX)とバス(ドライバーY)の衝突事故の話です。Yが損害賠償請求権を自働債権として、Xの損害賠償請求権を受働債権とする相殺をしようとしたものの、認められませんでした。
登場人物
本人 カツオ
法定代理人 波平
復代理人 三河
任意代理人 ジャイアン
復代理人 スネ夫
相手方 スポーツ用品店
復代理人の本人に対する責任を考えてみましょう。
カツオは小六。12歳。民法4条により、こいつは未成年者。
未成年者は、(例外の場合を除き、)法律行為をするときは、法定代理人の同意を要する。5条1項。
その法定代理人が波平です。今回は未成年者が主体となって法律行為をしたいというケースではなくて、法定代理人が復任した復代理人が本人を復代理するときに、復代理人がミスをしたらその責任は誰がとるか、という問題について検討します。
波平は、また、カツオを顕名して、カツオのために、代理行為をすることができます。例えば、カツオのために野球のグローブを購入したい場合、スポーツ用品店に行って、契約書にカツオの名前と、代理人である波平の名前を書く。こうすることで、カツオ自身が売買契約の当事者になる。
(もしカツオを顕名しないと、売買の当事者はスポーツ用品店と「波平」になってしまう。もっとも、用品店のおやじが「これはカツオが買うのを代理してるんだろう」とわかった場合や「この前、カツオがオヤジに自分の代理として買いにいかせるからよろしくって言ってたっけ」と思っている場合は、カツオ本人が当事者となる。民法100条。)
波平はサラリーマンであり、なかなかスポーツ用品店に行くことができない。そこで、近所で評判のいい好青年、三河氏を復任することができます。復任というのは、復代理人を選任すること。復代理人を選任すれば、復代理人がカツオを顕名して、カツオのために法律行為をすることで、その効果はカツオに帰属するようになります。つまり、波平がいかなくても、三河に代わりをさせることができるということです。
波平が法定代理人固有の権限をもって三河を復任します。
法定代理人は民法が勝手に代理人になると決めているため、任意代理人よりも復任の自由が広くなっています。なんと、本人に断り無く、自由に復任することができるのです。そのかわり、本人に対して自分が責任を負うことになります。例えば、三河がカツオのお金をあずかってグロープ代として支払うべきところを、そのお金をもってとんずらしてしまった場合、波平がそのお金の責任をカツオに対して負う事になる。「父さん、なんとことしてるれるんだ!」とカツオが激怒すれば、「すまん。カツオ、わしが悪かった。」「父さん、僕のお金を返してよ」「ほら、これで勘弁してくれ。」こんな感じになります。
ただし、これは原則の話。もしも、どうしてもその日に買わねばならないのに波平が会社のエレベーターに閉じ込められて買いにいけない。そこで、波平が三河に携帯から電話して、復任したとします。波平はやむむをえない事由によって三河を復任したことになり、波平の責任は軽減されます。そうすると、波平は三河がとんでもない性格のやつなのに選任してしまった場合や、三河を監督する義務があったのにヘマをさせてしまったような場合以外は、責任を負わなくてよくなります。
じつは、カツオがジャイアンを代理人に選任したとき、ジャイアンが復代理人を選任するためには、やむをえない事由か、カツオの同意が必要になります。法定代理人のように自由に復任できないのは、任意代理人はわざわざカツオによって指名されているからです。
こういう場合、ジャイアンが「めんどくせーんだよ」と言って、スネ夫を復任するためには、ジャイアンが学校のエレベーターに閉じ込められてしまったり(やむをえない事由の存在)あるいは、カツオに「いいよ、ジャイアン」と同意してもらう必要があるわけです。そういう条件が満たされたときに初めて、ジャイアンはスネ夫をパシリにすることができるのです。
(「いいよ、ジャイアン」の同意が、カツオの襟首をつかんで、「いいよな、カツオ!」とすごんで得たものであれば、強迫による意思表示ですから、無効です。スポーツ用品店のおやじが善意の第三者であっても、無効。96条。)
スネ夫は復任されました。スネ夫がカツオの金をかっぱらって、夜逃げしたとします。ちょっと考えにくいですが、ともかく逃げてしまいました。
すると、ジャイアンは「いいよ、ジャイアン」というカツオの同意を得ている場合には、責任を負わなくてよいことになります。ただし、スネ夫が夜逃げすることが分かっていながらカツオに「あいつ、信用できねぇんだよ」と伝えていなかったり、スネ夫を解任していないときには、やっぱりジャンアンがそのお金をカツオに賠償する責任が発生します。105条2項。
もう一つの場合、ジャイアンがエレベーターに閉じ込められていた事情があった、つまり、やむをえない事由があって復任した場合はどうでしょうか。この場合は、選任と監督について本人カツオに対して責任を負うことになります。スネ夫が金をもって逃げる人格であるのに選任してしまったことや、スネ夫が持ち逃げしないように監督する責任があったのに怠ったから、お金を賠償する責任がある、ということになるわけです。105条1項。
スネ夫は、復代理人としてカツオのためにスポーツ用品店と売買契約結んでいました。スポーツ用品店のおやじの話によると、「カツオの復代理人としてきました」と言って、お金を見せたので、「わかりました。こちらが注文のグローブです。」と言って、グローブをスネ夫に渡したところ、スネ夫がものすごい勢いで逃げていきました。
スポーツ屋のおやじは誰に対してグローブ代金を請求できるか。答えは、本人であるカツオですね。カツオの家に電話をかけて、「うちに来て、お金払ってください」と言えるわけです。484条。
そうすると、カツオは「ジャイアン、どういうことだよ」とジャイアンに電話します。すると、ジャイアンは「わりぃ。スネ夫のやつ、金に困ってたみたいなんだ。あいつ、見つけたらただじゃおかねえぞ」と言っています。カツオはジャイアンに対して責任を追及できるかについては前述のとおりです。カツオが同意を与えていなければ、ジャイアンには少なくとも選任・監督の責任がありますから、スネ夫がお金を持ち逃げすることを知っていたとすれば、預けていたカツオのお金を賠償することになるでしょう。
返ってきたお金をもってカツオがスポーツ用品店のおやじにお金を払えば、グローブの売買契約は終了します。問題は、カツオはお金を出したのに、グローブはスネ夫と共に、どっかに行ってしまったこと。
ジャイアンとしてはスネ夫を相手どって、委任契約の債務不履行による損害賠償請求をすることになるだろう。644条により、スネ夫は委任事務に対して善管注意義務を負っていたものを怠っている。不完全履行ということになるだろうか。
カツオもグローブ代を取り返すために、スネ夫を相手取って訴訟を提起するだろう。勝訴すれば、お金が返ってくる。
![]() | ドラえもん (1) 著者:藤子・F・不二雄 |
![]() | 対訳 サザエさん〈1〉 著者:長谷川 町子 |
代理人には、任意代理人と法定代理人がいます。
例えば、未成年者に対する親権者は法定代理人ですね。
法定代理人は、法律が勝手に代理人を選んでいるということがあって、代理人の自己の責任のもとに復代理人を選出できるのでしたね。
この場合、原則としては、復代理人のへまは、代理人が責任を負う事になりますね。
しかし、やむをえない事由によって復代理人を選出したときは、選任と監督についてのみ責任を負うのでした。
任意代理人の場合は、本人がいいよという場合か、やむをえない事情がある場合以外には、復代理人を選任できないんでしたよね。
本人の指名によって復代理人を選んだ場合は、代理人は原則、責任をおいません。しかし、代理人が復代理人が不適任・不誠実であることを知っているのに本人に通知するのを怠ったり、解任することを怠った場合は、責任を負うことになっています。
105条。
![]() | 代理人 販売元:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン |
弁護士法72条では、報酬をもらう目的で、弁護士・弁護士法人を騙って法律問題の事務をしてはいけないことが決められています。これに違反すると、77条1項3号に該当して、2年以下の懲役、300万円以下の罰金の罰を受ける可能性があります。
![]() | 合い言葉は勇気 著者:三谷 幸喜 |
ドラマ「合い言葉は勇気」に、弁護士でない男が、弁護士を騙って、村を救おうとする話が出できます。この男が報酬を得ていれば、訴訟の処理をしたりしてますので、72条違反となって、77条の罰則を受けることになるんでしょうね。役所広司扮する役でしたが、彼は刑務所に1年くらい入って労働させられたり、300万円くらいの罰金を払わされる可能性があるわけです。どっちにしても、彼はお金に余裕があったわけではありませんから、300万円の罰金を食らえば、もう生活はがたがたでしょう。2年も刑務所に入っていたら、例の奥さんともごたごたになってうまくいかなくなってしまうでしょうね。(あるいは、次の述べる74条2項の利益を得る目的で法律相談する表示をしたことに該当する可能性もありますね。)
74条では、弁護士でない人が、弁護士だと表示したり、法律事務所を表示してはならない(1項)、利益を得る目的で、法律相談をする表示をしてはいけない(2項)と決められています。前述の男は、弁護士の資格がないにもかかわらず、弁護士だと表示してましたので、これに1項に違反するわけです。それと、利益をもらう目的で法律相談をすると表示していれば、2項違反でもあるでしょう。77条で、こういう場合は100万円以下の罰金に処せられることになっています。72条では、300万円以下の罰金または2年以下の懲役でしたが、ちょっと軽くなって100万円以下の罰金となっていますね。まぁ、それでも例の男にはこたえる刑罰でしょう。
いずれにしても、弁護士でない者は弁護士だといってもいけません。報酬目的で法律事務をしてはいけませんし、利益目的で法律相談をしてもいけません。あっせんもしてはいけません。
期限は三種類。確定期限、不確定期限、期間の定めのない期限。(1)確定期限は年月日がはっきりとわかっているような期限。その日が履行期日。(2)不確定期限は、こういう状態になったら履行するという期限。総理大臣が変わったら、など。債務者が期限の到来を知った時に履行期日が到来。(3)期間の定めのない期限は、何も期限について約束がないこと。これは債権者が催告した時に履行期が来ると考える。
履行期日が到来しても、すぐに履行遅滞の責任が生じるわけではない。
債務者への催告が必要です。催告は、内容証明郵便で行ったりしますが、金銭債務の場合には7日間程度の相当期間をもって履行を催告したときはその期間が経過した以後、それから、相当期間を定めずに履行を催告したときには相手方に通知できた時から7日間程度を経過すると、履行遅滞になるとした判例があった気がします。
条件と期限の違いは、期限は必ず達成されますが、条件は必ずしも達成されないという特徴を持ちます。世界一のお金持ちになったらお金を返しますというのは、必ずしも達成されませんので条件でしょう。
ただ、返しますといっている人が超貧乏で、この条件内容が達成が不可能となりますと、不能条件ということで、消費貸借契約そのもののが無効になります。
![]() | その印鑑、押してはいけない! 「ハンコください」が招く悲劇 著者:北 健一 |
国選弁護人って何なんでしょうね。
憲法37条3項は、刑事事件の被告人はどんな場合でも弁護士に弁護人を依頼できて、もし自分で頼めない人がいたら国が国選弁護人をつけますよ、ということを定めています。
いわゆる国選弁護人ですね。昔は刑事弁護がない時代もあったらしいです。明治時代とか。悪いやつに弁護人がつくなんてもってのほかという考えがあったからなんでしょうね。お代官様がさっさと裁けばいいじゃんという考えだったんでしょう。それが今日では、刑事弁護が認められて、しかも、自分でしけらんない人は国がつけてくれることになってる、憲法で保障されてるんです。いい時代になりました。
自ら依頼できないっていうのは、お金がないから無理とか、そういうことですよね。
刑事訴訟法という法律には、もっと詳しいことが書かれてます。本人から言われたらつけなきゃなんないケースと、本人に言われなくても裁判所が勝手につけていいケースが書かれてます。
36条には、貧しいとかの理由があって自分で弁護人をつけらんない被告人は、裁判所に言えて、求められた裁判所は国選弁護人をつけないといけないってなことになってます。もちろん、自分で他に弁護士をつけてる場合は、裁判所が国選弁護人をつけることはしないでいいみたいですが。
被告人が請求しないでも、裁判所が勝手に弁護人をつけられる場合があるんです。37条がこれを定めてます。そんなおせっかいなケースがこんな場合です。
まず、未成年者。子供の場合は、弁護人を裁判所が勝手にくっつけることがあるわけですね。生意気なガキがやめてくれといっても、裁判所がくっつけちゃうことがありそうですね。
それから、70歳以上のシルバーの人々。お年寄りにひとりで裁判させるのは酷だから、本人が「わしゃ一人でできる!」と言っても、勝手につけちゃうんですよ、きっと。
それと、耳の聞こえない人や口のきけない人。筆談すれば、一般の人と同じように進行できそうですが、耳や口が不自由だとかわいそうだということで、勝手に裁判所がつけちゃう可能性があるわけです。
それから、心身耗弱、心身喪失の疑いがある人。心身喪失というのは、精神を病んでいて、善悪を判断する能力がないか、判断できてもそれにしたがった行動をできない状態のことです。耗弱は弁識能力も制御能力も著しく弱ってる人のこと。老化もこれに当りますね。65歳の人は、70歳以上の人たちの項目には当りませんが、これに該当するか、下の項目に該当するので、裁判所が勝手につけてもよいということになりそうです。
そして、その他必要があると認めるとき。これって裁判所が必要と感じたら、つけちゃっていいってことですよね? よくわかんないですが、まぁ公平な裁判のために役立つわけですから、その辺はあいまいでも問題ないでしょう。
ところで。
国選弁護人って、弁護士以外でもなれるんでしょうか? 答え。なれません。
刑事訴訟法の31条に、基本的に、弁護士じゃないと弁護人にはなれないことが書いてあります。例外的に、裁判所の許可があるとき、簡裁とか家裁、地裁レベルでは弁護士じゃない人も弁護人になれると書いてあります。ただ、地裁では弁護士の人と一緒に弁護人をやんないといけないみたいですね。
その辺の法律をかじったことのあるじいさんとかでは、弁護人をやりたくても、裁判所の許可がないとできない、それでまず許可されないのでまずできない、といったことになりそうです。
![]() | 実践刑事弁護 (国選弁護編) 著者:東京弁護士会刑事弁護委員会 |
民法では、土地とその定着物のことを、不動産と読んでます。定着物っていうのは、土地に生えてる木とか、土地の上に立ってる建物のこととかのことです。
不動産以外は、ぜんぶ動産です。動産は、土地と土地の定着物以外のことです。例えば、パソコンとか、本とか、電卓とか、コルクボードとか。そういうもんですね。
では、問題。パソコンにコルクボード、本、電卓を合体させて、スーパーいけてるパソコンを作るとき、その動産の持ち主は誰になるでしょう?
これは民法246条の、加工の法理という考え方で説明されるんですね。
加工の法理っていうのは、こういうもんです。太郎さんがパソコンをもっていて、花子さんがコルクボードと本、電卓を持っていたとします。二人がこれを合体させて、一台の素敵な物体を作りたい。こういうときに、工作の得意な太郎さんが作ることになるわけですよ。で、二人がそれぞれ材料を出し合う。
大切なのは、提供する材料の価値です。パソコンが40万円、コルクボードなどの材料がトータルで1万円だとしましょう。で、合体した物体の価格が100万円になるとします。
民法246条2項では、40万円+100万円=140万円>1万円 ということで、合体した物体は太郎の物ということになります。
花子さんが出した材料は価値が小さいので、まぁ全体として見れば、そんなもんでしょう。太郎さんのもんですよ、これは。
では、前提を変えます。花子さんがすべての材料を提供して、太郎さんが合体させた場合は、その物体は誰の持ち物になりますか?
それは1項本文は材料を提供したやつが、合体した物体の持ち主だと考えるんですが、但書きで、合体したものの価格が材料よりもずっと高くなったときは、合体させたやつの持ち物になります、と書いてあります。今回のケースでは、花子さんは41万円の材料を提供して、太郎さんが加工したら100万円になってますので、加工によって著しく値段が上がったということで、合体したものは太郎さんのものになるということですね。
やっぱり、太郎さんのものなんですよ。あのスーパーいけてるパソコンは。
もう一度前提を変えてみましょう。それでは、花子さんが提供した材料の価格が41万円で、太郎さんが加工した物体の価格が42万円だとしたらどうなるでしょうか?
こんどは材料に毛の生えた程度の価格にしかなってないので、本文が適用されて、花子さんの持ち物ということになります。当然ですよね。。。ほとんど材料代なんですから。。
ただ、これは動産の話。不動産についてはちょっと違う考え方をします。それはまた別の機会に説明しましょう。
ところで、246条といえば、刑法の詐欺を思い出しますね。2,4,6という2の倍数の条文。あれです。この前やりました。民法では加工の法理です。何の関連性もありませんが、まぁ、2の倍数つながりで、覚えておきましょう。
![]() | 自作+改造?脳みそが気持ちいいパソコンの作り方 販売元:アスキー |
過失とは何か。これは意外と難しい問題です。色んな説明がありますが、今日の最高裁の考え方はこんな感じです。
過失というのは、予想できたのに不注意で結果を回避しなかったこと。
これは記憶しておきましょうね。過失は、予見できたのに不注意で結果回避する義務を怠ったことなんですよ。はい、インプットできましたね。
具体的には次のようなことです。例えば、細い道があって、今にもおじいさんが飛び出してきそうです。この道を自動車で40キロの速度を出したところ、じいさんが飛び出してきて、ひき殺してしまいました。運転手は、じいさんが飛びしてくることが予想できましたが、じいさんが出てきてもいいように減速してひき殺すことを回避する義務があったのに、不注意でひき殺すという結果を回避できなかったことになります。つまり、過失があったことになります。
こういう過失の考えかたは、東京スモン事件という薬害訴訟のなかで最高裁が示した見解です。一見、公害訴訟のような見た目の事件ですが、薬害です。スモンというのは病名。正露丸みたいなもんなんでしょうか、今は売っていない整腸剤のキノホルムという薬を服用した人が、ぱたりぱたりと、下半身が動かなくなって、目が見えなくなりました。細菌性の下痢などによく使われていた薬で、日本中で服用されていましたが、あまりに被害者が続出したため、’70年代以降は使用されなくなりました。これは、そのキノホルムの被害にあって、スモンになってしまった人が起こした事件なんです。で、被害者が安全性を強調して売っていた製薬会社と、安全な医薬品を提供すべき義務があったのにキノホルムの販売を許したり、安全性の研究を放置してた日本国を相手どって、損害賠償を求めたんですね。事案はどうあれ、その事件のなかで示された過失概念が、予見する義務があって、その義務の結果、予見性が存在したにもかかわらず、不注意によって結果回避を怠ったことが過失であるという考え方でした。
昭和53年=1978年の判決ですので、今から28年前ということになります。28年といえば、28年前に生まれた子供が結婚していてもいい歳のサラリーマンになっているような時間です。長いですね。ずっと使われてるんですよ。
過失をこのように説明する過程では、色々な考え方がなされていましたが、混乱するといけないので、その説明はまた今度にしましょう。
繰り返します。
過失は、予見できたのに、不注意で結果を回避しなかったこと。予見可能性と結果回避義務違反の合体したものですよ。
![]() | 厚生省薬害史?行政の歪が見えてくる!厚生省薬事関連訴訟の軌跡 著者:富家 孝 |
刑法246条1項、人を欺いて、財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
今、ニュースで500億円の詐欺事件が騒がれていますが、これが有罪だとすると、やった人は10年以下で懲役なんですね。罰金とかじゃなくて、懲役。刑務所に入れられて、超低賃金で労働させられる刑罰を科せられるわけです。
条文の数が2の倍数になっていることに注目。特に意味はないけど、覚えやすい。
2,4,6
![]() | 華麗なる騙しのテクニック 世界No.1の詐欺師が教える 著者:フランク・W・アバグネイル |
刑法39条1項、心神喪失者の行為は不処罰。
2項、心神耗弱者の行為に対する処罰は必要的減軽。
責任能力がない人は有罪でも処罰されないし、責任能力があんまりしっかりしていない人は刑が絶対に軽くなるらしいです。刑事裁判でよく弁護人が責任能力を争うといいますが、やっぱりこれがどうかによって結論が大きく違ってくるからこういう点を争うんでしょうね。
責任能力は事理弁識能力と弁識にもとづく行動の制御能力を足したもの。
![]() | 39-刑法第三十九条- 販売元:バンダイビジュアル |
意外と共通点があることに驚いた。
天皇による栄典授与、請願権、地税法律主義は明治憲法においても認められていた。
しかも、信教の自由まで認められていたのです!!
事実上、国家神道以外は認められていないような状況だったのかもしれませんが、明治憲法下でも憲法上はキリスト教とかを信仰する自由は保証されていたんですね。
でも、違いもあります。明治憲法では、地方自治についての規定がありませんでした。
地方自治についての規定は、まるきり新憲法で加わったということです。
明治、大正、戦前の昭和においては、住民選挙とかは絶対になかったということになりますね。
![]() | 伊藤真の憲法入門?講義再現版 著者:伊藤 真 |
近代私法の三大原則は、私的自治の原則、所有権絶対の原則、自己責任の原則だそうです。
私的自治というのは個人意思自治と言い換えたり、所有権絶対は個人財産権不可侵と言い換えることがあります。
人が拘束されるのはその人が納得したことだけだという考え方、個人の財産権を勝手に侵害してはならないという考えかた、他人のやったことの責任はとらず、自分でやったことのみの責任を自分でとるという考え方です。
もし私的自治の原則がないと、国家が勝手に契約関係を作ってしまったりするんでしょうか。それって怖いですよね。
もし所有権絶対の原則がなければ、自分の持ち物を国に勝手に捨てられたりして、嫌ですよね。
もし自己責任の原則がなければ、五人組のような恐怖があるわけです。怖い。
そういうわけで、近代私法の基本原則によって、私たちの私法生活は健全なものになっていると言えそうですね。
−−−−−
私的自治の原則って何ですか?
意思自治の原則とも言うんですけどね。私的自治の原則っていうのは、国家と市民社会というのを切り分けて、市民社会のほうに国家があんまり介入しようにしようという考え方なんですね。視点を変えると、私法上の権利義務関係で、義務を負うというのは本人が了解しているときに限るという発想なんです。
こういう考えかたをしないと、国家がずけずけと介入してきて、国家が勝手に契約を締結するとか、私法上の義務を負わせるといったことになってしまって、市民としては大変迷惑というか、怖い社会になってしまいます。そうならないように、私的自治の原則というものを考えるわけですね。
市民社会って何ですか。
市民社会っていうのは、国家に対する概念なんですね。国家が権力を発揮するのは、私人間の権利行使を円滑する目的で、しかも、それを使うときは最小限に限るべきだという考え方があります。自由主義ですね。今の日本はその自由主義をとっているわけですけれども、この発想いくと、国家の介入を受けない社会的な領域というものが出来るわけですけど、これを市民社会といっているんですね。経済学の市場とよく似ている概念です。
私人間の権利行使を円滑化するためにのみ国家の介入を認める立場をとったときに、国家の介入を受けない社会的領域ができる。そこを市民社会という。こういう理解でよろしいですか?
そういうことですね。
![]() | ゼミナール民法入門 著者:道垣内 弘人 |
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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